アメリカの救急車は有料、しかもすっごく高い!
だから意識のある人は皆、自分の車で病院へ行くわ。
そう聞いていた私は、絶対に救急車には乗るまい、と思っていました。
しかし、夜中、12時過ぎに突然襲った激痛…ヤバイ、これはヤバイ痛み、動けない…。
焦った夫が電話して、遂に救急車に乗ってしまいました。
あー、日本でも乗ったことないのに〜。
この記事では、
- アメリカでの救急車の呼び方
- 救急車に乗った体験談!
- 請求書も公開!救急車の料金、驚きの高さとは?
をご紹介します。
アメリカの救急車の番号と呼び方は?
アメリカでは救急車の番号は、「911」です。
アメリカ同時多発テロ事件の日付と同じ、覚えやすいです。
「救急車の呼び方(How to Call an Ambulance)」というサイトに、注意点が書いてありました。
簡単にまとめてみますね。
あなたがパニックしてしまったら、助けることができなくなります。
オペレーターには、次のことを訊かれます。
- 住所(外にいる場合は、最も近い交差点や目印になる場所)
- 電話番号(携帯番号)
- あなたの名前
- 患者の名前
- なぜ救急車が必要なのか?
患者が怪我や意識がない場合、応急処置のアドバイスをしたりもします。
(私の時は、怪我では無かったし、意識もあり、ただ痛くて動けなかったので、夫も何も出来ず、到着を待つのみでした…。)
では、私の救急車体験談をお話します。
救急車体験談
電話をしてほどなくして、救急救命士4人が到着!
男性も女性も大柄で、ドラマや映画で見るような格好をしていました。
アメリカの救急救命士には、
- Emergency medical technician (EMT)
- Paramedic(パラメディック)
という資格があります。
EMTは、気管挿管や薬剤投与、静脈路確保など幅広い活動ができます。
パラメディックはその更に上で、準医師のような高度な医療サポートが可能です。
私はとにかく、断続的に腰がとても痛かったので、それを訴えたところ、
「痛み止めの処置をしても良いか?」
と訊かれました。
「お願いします」
と言うと、左腕に点滴を打つ準備をされました。
(この点滴みたいのが結構、乱暴で…数日、内出血が消えませんでした。)
↑これはイメージ画像ですが、こんな感じですぐに薬を入れられるように、ずっと針が刺さっていました。
モルヒネを打ってもらうと、痛みが引いて、楽になりました。
その間に、夫は救急救命士と、どこのERに行くか?の相談をしていました。
家では、痛み止め以外の処置をすることはなく、車椅子に乗せられて救急車に移動しました。
(意識がない場合は、担架になったと思います。)
救急車の中
救急車では、私一人。
えーっ、夫は同乗してくれないの?
と思いましたが、これで正解でした。
それは、家で娘が一人になる(もう留守番できる年齢で良かったです)のもありましたが、一番の理由は、
一緒に乗ってしまうと、帰りの足が無くなってしまうから
アメリカでは、日本のように流しのタクシーは走っていません。
時間帯によってはUber(ウーバー)やLyft(リフト)を使うという手もありますが、自分の車があった方が便利ですよね。
という訳で、夫は後から自分の車でERに来ました。
もちろん、帰りを気にする必要のない旅行者の方や、他に家族のいる方は、同乗もできますよ。
救急車の中では、私は中央で横たわり、左右に救急救命士が控えました。
わー、ドラマみたいだなー
と思いながら、会話に耳を澄ますと「kidney stone(腎臓結石)ね」「そうだね」と聞こえました。
それって、三大痛い病気といわれる一つでは?
そうか、それであんなに痛かったのか…
搬送中、
「今の痛みは1〜10でどれくらい?」
と訊かれ(アメリカの医療では、必ず痛みをこう表現するように訊かれます。)
「2」
「Good」
と答えていたのですが、途中でモルヒネが切れ、
「痛いですっっ」
と訴えて、追加して貰いました。
(直ぐに痛みが引きました…モルヒネ最高!)
でも一方で、このケア、後で高い請求が来るんだろうなあ、とも考えていました。
真夜中で道が空いていたので、救急車はサイレンを鳴らすこともなく、静かに素早く、ERに到着しました。
ERでは、またアメリカならではの、驚きの出来事が待っていましたが、このお話は↓の記事で。
では、次に救急車の請求書についてお話しします。
保険会社との戦闘記録?です。
アメリカの救急車の料金は?
2週間ほどして、救急車の請求書が送られてきました。
主なものを紹介しますと、
基本料金 $2,499.08
走行距離 $60.41 x 4マイル =$241.64
夜間料金 $227.92
など。
ALS1 EMERGENCY を基本料金とザックリ訳しましたが、ALSはAdvanced Life Supportの略で、高度医療サポートが可能な救急車による搬送、ということです。
走行距離、1マイル毎に料金が掛かります。
そう、アメリカでは、距離によって料金が変わるのです。
あとサイレン代も別料金という話を聞きました。
私は夜中の道が空いている時間で良かった…まあ、夜間料金は掛かっていますが。
ハイ、では、締めて、
$3,390.79
1ドルを110円としますと、
3,390.79ドル=37万2987円
高っ!
念のために言いますが、これ、治療費じゃないですよ?
救急車で運んでもらった金額ですよ?
住んでいる都市(州)、移動距離、ALS車だったのか?、高度な治療をしたか?、などによって料金が大きく変わります。
いくつか、実際の例を見てみましょう。
- ニューヨーク州:2マイルの移動に$2,700の請求
保険がカバーして、実際の支払いは$700 - ペンシルバニア州:8.5マイルの移動に$2,250の請求
保険がカバーして、実際の支払いは$1,630 - アラバマ州:5.5マイルの移動に$648の請求
保険がカバーして、実際の支払いは$22 - カリフォルニア州:2マイルの移動に$2,246の請求
保険がカバーせず、実際の支払いも$2,246 - ミシガン州:23マイルの移動に$6,720の請求
保険がカバーして、実際の支払いは$5,925
救急車は通常、保険でカバーされます。
都市によっては、救急車のサービスを税金でカバーしてくれるところもあります。
それでも$400から$1,200以上、&移動距離分は自己負担です。
また、メンバーシップ制を採用している都市もあります。
オクラホマ州ニコルズ・ヒルズでは、毎月$2.5の支払いで自己負担なく救急車に乗ることができますが、非会員は乗車に$1,100と1マイル毎に$9が必要です。
オレゴン州ウッドバーンでも、非会員は$1,220ドルと1マイル毎に$20ドルを支払います。
さて、請求書をよく見ると書いてありますが、これは保険が適応されていません。
「保険があるなら、カードのコピーを送って」
とあります。
なので、コピーを送りました。
保険会社のサイトでは、救急車の場合、2,000ドルまでカバーするとありました。
(それでも1,400ドル近く自己負担…汗)
保険会社からの回答
「保険ではカバーされません」
はぁ?
サイトに書いてあることと違うんですが??
何のために毎月、高いお金を払っていると???
救急車には乗るなってことですか?!
直接、電話で交渉しました。(夫が。)
直ぐに「間違いでした」と払ってくれることに。
しかしホッとしたのも束の間。
500ドルくらいしかカバーしてくれず、また電話で交渉。
さらに追加で保険会社から払ってもらい、だいたい2000ドル超えくらいのカバーに。
この間、3〜4ヶ月。
なかなか支払いが落ち着かないことで、精神的に参りました。
そして、ようやく終わった!と思った2ヶ月後、また救急車から50ドルの請求書が来ました。
なんか足りなかったらしいです。
もう保険会社と交渉するのも面倒なので、そのまま払いました。
いろいろな意味で、もう乗りたくないと思いました (泣)
まとめ
アメリカの救急車は有料!請求された料金は驚きの高さだった!、いかがでしたでしょうか。
- アメリカの救急車の番号は「911」、オペレーターが対応する
- 住所、電話番号、名前、患者の名前と何故、救急車が必要かを訊かれる
- 救急車の体験談、同乗も出来るが、帰りの足が無くなる
- いろいろされた処置は、後にしっかり請求される
- 2週間ほどで請求書が届く
- 走行距離は1マイル毎に掛かる
- 料金は、住んでいる都市、ALS車だったか、高度な治療をしたか、などにより大きく変わる
- 通常、保険である程度はカバーされる
でした。
救急車、救急救命士の方は優しく、プロフェッショナルで素晴らしかったです。
モルヒネを打ってもらうのにできた痣は…でしたが。
でも高い、高いですよねー。
交通事故で大怪我をして、高度な治療を必要としながら移動した時や、山岳で遭難して救急ヘリに乗ったりしたら…いったいどんな請求書が届くのでしょう?
もちろん命には変えられない訳ですけど。
ちなみに…腎臓結石の方は、数日後に、自力で排出しました^^;
結石だと分かってたら、家の車でERに行ったなー、と思います。
(でも分からなかったから、仕方ないですね…。)