スクールカースト、いらすとやさんにこんなイラストがありました。
スクールカーストピラミッドですね。
学校で誰もが近いものを経験されているのではないかと思います。
ところで、アメリカの高校には厳しいスクールカーストがある、とよく聞きます。
確かに映画やドラマでは、人気者が冴えない子をイジメる描写を見たことがありますね。
アメリカには本当にスクールカーストがあるのかな?
アメリカで現役女子高生の娘に訊いてみました!
答えは、
上下関係のあるスクールカーストってのは無いかな。
でも華やかなグループ、目立たないグループはあるよ。
なるほど、思っていたのとは違うようです。
娘にもっと詳しく訊いてみました。
この記事では、
- アメリカにあると言われるスクールカースト
- スクールカーストを扱った映像作品
- アメリカにはスクールカーストがあるの?
- クリークというグループ(派閥)12個
- クリークに入らないようにするには?
をご紹介します。
スクールカーストとは?
学校生活で自然に発生する生徒間の人気の度合いを、身分制度であるカースト制度をなぞらえて表現した言葉です。
カースト制度はヒンドゥー教の身分制度で、インドでは今でも根強く残っています。
それでは、スクールカーストピラミッドを見てみましょう。
スクールカーストピラミッド
アメリカのスクールカーストと言われているものを、いらすとやさんのイラストでピラミッドにしてみました。
では、ひとつずつ見ていきましょう。
男性トップ層、1軍:ジョック(Jock)
ジョックは体育会系で、学園の人気者です。
アメリカンフットボールのキャプテンであることが多いです。
ジョックには、「運動選手」「熱中者」という意味があります。
女性トップ層、1軍:クイーン・ビー(Queen Bee)
クイーン・ビーには「女王蜂」という意味があります。
チアリーダーの中心人物、演劇部の主演女優であることが多く、ジョックの彼女という可能性も高いです。
華やかな容姿とカリスマ性を持ち、学園の女子でいちばんの権力者です。
2軍:サイドキックス(Side Kicks)
クイーン・ビーの取り巻きです。
2名以上からなります。
クイーン・ビーには負けますが、華やかな容姿を持っています。
サイドキックスには、「親友」「仲間」という意味があります。
2軍:プリーザー(Pleaser)
プリーザーは「(人を)喜ばせる人」という意味があります。
女子ならクイーン・ビーの近くにいて、おこぼれをねだり(Please)ます。
男子ならジョックの子分で、下位集団人にたかり(Please)を行います。
2軍:ワナビー(Wannabe)
「Wannabe」は「want to be(〜になりたい)」を省力したスラングです。
今の自分とは違う、ジョックやクイーン・ビーになりたい、けどなれないという人達です。
言葉にはネガティブなイメージがあります。
取り巻きながら、地位の向上を狙っています。
3軍:メッセンジャー(Messenger)
メッセンジャーは「使いの者」という意味があります。
上位集団の言うことをきくパシリです。
3軍:スラッカー(Slacker)
スラッカーは「怠け者」という意味があります。
ばか、抜け作なんて酷い言葉も。
盛り上げ担当です。
3軍:プレップス(Preps)
プレップスはpreparatory school(大学進学を目指す私立の中等学校)から来ています。
いいとこのお坊ちゃん・お嬢ちゃんで、文化系のお金持ちです。
ナード層:ギーク(Geek)
ナードは「オタク」とよく訳されています。
ギークも「オタク」ですが、コンピューターなど人より抜きん出た知識のある趣味人です。
ナード層:ブレイン(Brain)
ブレインの意味は「頭脳」です。
頭脳なんてカッコイイ?と思いきや、学年トップのガリ勉に当たります。
ネガティブなイメージです。
ナード層:ゴス(Goth)
ゴスは黒い服に黒いアイシャドーや口紅を施したファッションです。
日本だとゴスロリ(ゴシック・アンド・ロリータ)もここに入ります。
ギーク、ブレイン、ゴスが所属するナード(オタク)。
ジョック、クイーン・ビー、サイドキックス達を陽キャラとすれば、ナードは陰キャラです。
クラスでは冴えないグループとされます。
しかしナードは社会に出ると大変身することがあります。
そう、得意な技能、頭脳を使って会社で出世したり、独立したりするのです。
上位グループが下で働く未来がある訳です。
最下層:ターゲット(Target)
ターゲットの意味は「標的」です。
イジメの対象となっている生徒です。
ターゲットは必ずしもナードではありません。
カースト外:不良(Bad Boys & Girls)
学校外で交流を持っているため、スクールカーストには属しません。
クラスメイトからイジメも尊敬もされませんが、距離を置かれているという感じです。
カースト外:不思議少女(Floater)
Floater(フローター)は「浮かぶ人」という意味があります。
フワフワとした浮いた存在で、不思議少女は独自の世界を持ち、クラスメイトからの輪からは離れています。
以上、アメリカにあると言われるスクールカーストのステレオタイプでした。
アメリカのスクールカーストが描かれている映画・ドラマ・アニメ
映像作品に出てくるスクールカーストをいくつかご紹介します。
ミーン・ガールズ
アフリカからシカゴに越してきた16歳の少女が、クイーン・ビーのグループに気に入られ…というお話です。
ミーンの意味は、「意地悪な」です。
ナーズの復讐
いつもイジメられていた2人のナードの青年が、ジョック達に復讐するというお話です。
ハイスクール・ミュージカル
ジョックの主人公が、数学や科学が得意な地味な天才少女に恋をして…というお話です。
RWBY
グリムを退治するハンター養成所、ビーコン・アカデミーでの苦難と成長のお話です。
映像作品にこれだけスクールカーストが出てくるなら、アメリカには当然ある、と思いますよね。
アメリカにスクールカーストはあるの?
外国語を学ぶ人が集まるサイトに同じ質問が挙がっていました。
質問を見たネイティブが答えています。
抜粋です。
さっき見たスクールカーストピラミッドとは違うようですね。
ネイティブの人は、年齢が上だと偉いか?という話をしているようです。
ここでまた娘に訊いた話です。
スクールカーストって言葉、進撃の巨人で見たから知ってるけど、
正直言って使わないかな。
でも華やかなグループ、目立たないグループって分かれてるんでしょ?
うん、でも上とか下とか無いし。
クリークって言うね。
クリーク(clique)
ちなみにターゲット、イジメはあるの?
無い、無いっ!
イジメなんてしたら大変だよ。
場所にもよりますが、学校では徹底的にイジメ撲滅をしています。
イジメをすると学校から厳しい指導があるから無い、これを聞いてホッとしました。
次は、そのクリークについて見てみましょう。
クリークとは?
クリークの意味は、「小さな友人グループ」「派閥」です。
2〜12人(平均5〜6人)で作られます。
どんなクリークがあるのでしょう?
12に分けられるクリーク
2018年末に発表された記事に、高校でのクリークに関する調査結果が載っていました。
4つのグループに分けられた12のクリークです。
※クリークはSNSの普及で境界が曖昧になっているそうです。
第1グループ
裕福で魅力的な子供達がここに入ります。
パーティが好きで、皆に好かれています。
でも他グループの子供達がそれをいつも羨ましく思っている訳ではありません。
スクールカーストと比べて見てください。
1. ポピュラー(Populars)
最新の服と機器を身に付けている、カッコイイ人気者です。
プレップとも呼ばれ、他のクリークから「苛めっ子」「意地悪な子」と見られることもあります。
2. ジョック(Jocks)
人生がスポーツ中心の子供達です。
こちらも他のクリークから「苛めっ子」と分類されることもあります。
ただしジョックとアスリートは区別されていて、チームでのステイタスに関わらず、アスリートは誰とでも仲良くする傾向が高いです。
3. フローター(Floaters)
一緒に遊ぶ仲間を1つに固定しない子供達です。
「ドリフター(漂流者)」「クリークジャンパー(クリーク間を飛び跳ねる人)」と呼ばれることもあります。
一般的に恥ずかしがり屋ですが、礼儀正しくフレンドリーです。
たくさんの友達がいて、皆と仲良くするので、好かれています。
4. グッド・アット(good-ats)
何でも得意で、多数の課外活動やボランティア活動に参加している優れた子供達です。
このクリークの参加者は、より人気のあるクリークに入ることも出来る均整の取れた子供達です。
第2グループ
学力が高く、芸術や文化に影響を受けている子供達です。
高校ではノーマークで自由に行動し、流行り物以外のものを受け入れる傾向があります。
5. ファイン・アーツ(Fine Arts)
課外活動への参加度が高い子供達です。
自分を表現するために、色やアート、ピアス、体の改造をしていて、創造的な外見をしている傾向があります。
インディーズやヒップスターと呼ばれているかも知れません。
ヒップスターについてもっと詳しく↓
6. ブレイン(Brains)
賢い子、オタク、頭脳明晰な子供達です。
勉強に秀でていて、一貫して良い成績を収めています。
一方でこのクリークは学業面での不安が高く、親を怒らせることを恐れて精神的に健康ではないという研究結果も出ています。
7. ノーマル(Normals)
ここに入る子供達は「目に見えない」と感じているかもしれません。
他のクリークには入らず、ノーマル同士そこにいます。
8. ストナー(Stoners)
ストナーは「石を投げる人」という意味があります。
バーンアウト(Burnouts)「燃え尽きた人」、ポトヘッド(Potheads)「マリファナ常用者」、ドラッギー(Druggies)「麻薬常用者」とも言われ、マリファナを吸ったり麻薬をやったりする子供達です。
第1グループが参加するパーティでストナーは人気がありましたが、最近は反麻薬・喫煙キャンペーンにより人気も陰りがちです。
しかし一般的にここの子供達はのんびりしていて、誰とでも仲良くする傾向があります。
第3グループ
自尊心が低く、少ない友人グループで行動する傾向がある子供達です。
9. エモ/ゴス(emo/goths)
エモはロックの形態のひとつです。
黒尽くめの服を着て、髪を黒く染め、黒のマニュキュアをし、暗闇の中に美しさを見出す子供達です。
反体制文化に興味があり、一般的に静かで、やや引きこもり気味です。
一部の子供達は自傷行為をすることもあります。
10. アニメ/漫画(anime/manga)
今回の調査で発見された最新の同好クリークです。
基本的には、昔からあるコンピューター・ギークを現代風にアレンジしたものです。
アニメ、映画、漫画、その他日本のポップカルチャーが好きで、ネットで体験を共有することに時間を費やしています。
11. 独りぼっち(Loners)
本当に友達がいないか、ひとりでいることに満足している子供達です。
このクリークの子供達は危険かも知れないという恐れから、他のクリークは遠巻きにしている可能性があるという研究結果が出ています。
恐れを感じる理由は学校で銃撃事件が多発しているためで、最近の傾向です。
また、そういう理由から社会的地位の底辺に位置付けられています。
第4グループ
多様性が増しているものの、人種や民族のステレオタイプも健在です。
12. エスニック・グループ(Ethnic groups)
人種や民族でのグループは流動的です。
他のクリークに所属している子供達の「ホームベース」として機能することがよくあります。
上下関係は無いという話でしたが、4は別として、3よりは2、2よりは1のグループの方が上、な感じがしますね。
クラスやクラブでリーダーをするのは数字の少ないグループの子供でしょうし。
最後にアメリカのクリークについて、気になる質問をまとめました。
クリークは良い?悪い?大人になってもある?
クリークに関する質問です。
- クリークは大学にもある?
-
高校だけでなく、クリークは大学、大人になっても存在します。
大学での専攻は、それ自体がクリークです。
しかし『ミーン・ガール』に出てくるようなグループと違い、必ずしも悪いことばかりではありません。 - 大人はどうしてクリークを作るの?
-
私達は社会的な存在で、クリークを作るのも社会的なことです。
クリークは私達に楽しみとお互いを理解するための場を与えてくれます。
心地良く感じることが出来るのも理由のひとつです。 - クリークの一員にならないようにするには?
-
自分を知り、他人に変えられないようにすることです。
自分の価値観と信じているものは何かを考え、似たような興味を持つ友人を探します。
自分を好きになること、快適と感じることは大切なことです。
まとめ
スクールカーストはアメリカには無い?大人にもあるクリークを紹介!、いかがでしたでしょうか。
- スクールカーストピラミッド1軍:ジョック、クイーン・ビー
- 2軍:サイドキックス、プリーザー、ワナビー
- 3軍:メッセンジャー、スラッカー、プレップス
- ナード層:ギーク、ブレイン、ゴス
- 最下位:ターゲット、カースト外:不良、不思議少女
- アメリカ人はスクールカーストを意識していない、代わりにあるのはクリーク
- クリークは小さなグループで、12に分けられる
- ポピュラー、ジョック、フローター、グッド・アット
- ファイン・アーツ、ブレイン、ノーマル、ストナー
- エモ/ゴス、アニメ/漫画、独りぼっち
- 人種や民族のエスニック・グループ
でした。
映像作品では面白くするためにスクールカーストのようなものが描かれているけれど、実際の学校生活ではグループ分けはある(まあ、当然ですよね)けれど、それに上下関係の意識はないということでしょうか。
でも、そうは言っても人気のグループはある、でも全員が羨ましいとは思っていない。
こんな感じかなと思いました。
地域性、学校によっても違うとは思います。
アメリカと言っても、日本の学校生活とそんなに違わないのかなー??^^