ナードは日本語ではよく「オタク」と訳されているステレオタイプのひとつです。
漫画のヒロアカでは爆豪くんが出久に「このクソナードがぁ!」と言ったりしますね。
意味は「このキモオタがぁ!」という感じでしょうか。
アメリカの高校や大学では、ジョックの対義語として使われています。
スクールカーストの敗者、ヒエラルキーの下層組とも言われます。
でもナードの意味も変化していて、最近はとってもスゴイんです!
あのハリー・ポッターのキャラクター、ハーマイオニーもナードなんですから。
可愛いナード♪
この記事では、
- ナードの意味
- 言葉の由来
- ナードってこんなヤツ
- ナードが大変身!
をお送りします!
ナード(nerd)とは?定義はコレ
ナードとは、
ある特定の分野への知識はとても豊富だけれど、社会的スキルに欠けている人に対して使われる言葉
です。
ちょっと軽蔑的なニュアンスがあります。
ナードは、
- 余り人気があるとは言えない、マニアックな活動に時間を費やします。
それはフィクションやファンタジー、高度な技術力を必要とするもの(コンピューターなど)です。 - 恥ずかしがり屋で、変わり者です。
知識をひけらかし、魅力的ではないと思われています。 - スポーツは苦手で、参加することも難しいです。
以上が、アメリカで言われているナードの定義です。
本来は軽蔑的な言葉でした。
日本だと「オタク」と訳されていますが、この感じだと「根暗」に近い感じがしますね。
でも現在は再定義されています。
現在の定義を見る前に、ナードの由来を見てみましょう。
ナードという言葉の由来は?
ナードという単語が初めて出てきたのは、1950年のドクター・スースの本『If I Ran the Zoo』(動物園を運営するなら)でした。
ナードは生き物の名前です。
本の中で主人公のジェラルド・マックグリューが想像上の動物園に集めたいとあげた動物(怪物?)のひとつが、
ナード
でした。
いったいどんな動物なのでしょうね??
ナードの同義語
翌年、1951年にはニューズウィーク誌が、ミシガン州デトロイトで、ドリップ(drip)やスクエア(square)の同義語として使用されていると掲載しました。
こうして1960年代初めまでに、ナードは全米に広がりました。
この時点では、「本好き」や「社会的不適格者」を意味するものでした。
社会的不適格者って、結構きつい言葉ですね。
ナードの綴り
一方で、1960年代半ばから1970年代初めに、
nurd や gnurd
という別の綴りも現れはじめました。
作家のフィリップ・K・ディックは、1973年に「nurd」のスペルを作成したと主張しています。
ディックは映画『ブレードランナー』『トータル・リコール』『マイノリティ・リポート』の原作者です。
しかし最初に使われた記録は、1965年のレンセラー工科大学の学生論文でした。
「gnurd」は1965年までにマサチューセッツ工科大学で使用されています。
また1971年、マサチューセッツ工科大学で「nurd」という用語が使われていました。
でもそれは、風刺ニュースの架空のキャラクターの名前でした。
このキャラクターはオタクだったのでしょうか?
調べたのですが、わかりませんでした。
オンライン語学辞典は、1940年代の単語、
nert
意味は「莫迦な、愚かな人々」が、ナードに改変したのだろうと言っています。
と、まあ、ナードの由来は諸説あります。
しかし「ナード」が広まったのは、1970年代に、シチュエーションコメディ『ハッピーデイズ』で多用されたからでした。
やはりTVの力はスゴイですね。
では、ナードのステレオタイプを見てみましょう。
ナードのステレオタイプとは?
よく言われているナードの外見ステレオタイプです。
- とても大きなメガネを掛けている
- 歯科矯正をしている
- 出っ歯
- ニキビがひどい
- ズボンをウエスト高く履く
- 太っているか、痩せている(不健康)
- 運動が苦手
ナードはあらゆる人種、肌の色で見られます。
また『シーズ・オール・ザット』という映画では、女の子のナードも。
(映画だから可愛いんですけどね^^;)
これは可愛すぎる!
国際・異文化コミュニケーションジャーナルに掲載されている2010年の調査によれば、アメリカではアジア系アメリカ人が最もナードである可能性が高いと認識されているそうです。
ああ、やっぱりねー、みたいな(笑)
東アジア系、インド系、ナードだそうです。
次が白人、非白人ヒスパニック、黒人と続きます。
あ、これ、イメージですからね!
さて、いよいよナードの反撃が始まりますよ。
ナードの逆襲!
シリコンバレーとコンピューター業界のおかげで、ナードはお金持ちになりました。
漫画やSFといったオタクっぽい趣味も、今では人気のカルチャーです。
ナードであることが、今では望ましいことだと考えられています。
知的で、尊敬され、興味がわく面白い人、お金を稼げる人だと思われています。
ステレオタイプのナードの特性は、「社会的不適格者」から、「より広く受け入れられる存在」に変わりつつあるのです。
いぇい!やったね!ナード!!
ナードが主役の映画
1984年の映画『ナーズの復讐/集結!恐怖のオチコボレ軍団』は、ナードがコンピューターを武器にジョックに復讐するストーリーです。
これ、Amazonビデオで観ることができます。(画像クリックでサイトに飛びます。)
ナードたちが喜んで観たんですかねえ。
どうでもいいですが、邦題がすご過ぎます^^;
ジョックとは?↓
オタクには優しくしなさい、というあの言葉
ところで、ネット上でよく見られる、
オタクには優しくしなさい。彼らの下で働く可能性は高い。
Be nice to nerds. Chances are you’ll end up working for one.
と言う名言ですが、ここで使われている「オタク」は「ナード」なんですね^^
そしてこれはビル・ゲイツのセリフと言われていますが、実はチャーリー・サイクスという政治評論家のものだそうです。
この方↑
でも日本では正直、誰?って感じだから、ビル・ゲイツで良いかな〜、それっぽいですしね^^;
ナードの日!
スペインでは、2006年から5月25日を「ナード・プライド・デイ」に制定しました。
何故この日をナードの日にしたかと言うと、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のリリース記念日だったから!だそうな。
理由がまたこれ、オタクらしかった!^^
元々はアメリカのステレオタイプだったナードですが、今は世界中で受け入れられるまでに成長しています。
例えば、オーストラリアのオズ・コミコン(サンディエゴのコミコン・インターナショナルに似た、コミックとコスプレのコンベンション)は、自分達がナードだと言う人々に人気のイベントです。
2016年のパースのオズ・コミコンには、2万人のコスプレイヤーと漫画ファンが集まっています。
最後のナードは、どちらかと言うとアメリカというより、日本のオタクという感じでした^^;
まとめ
「ナード」について、いかがでしたでしょうか。
- ナードは、ある特定の分野への知識は豊富だが、社会的スキルに欠けている人
- 軽蔑的な意味合いがあった
- 語源はドクター・スースの本『If I Ran the Zoo』で初めて出てきた
- 諸説あるが、広まったのは1970年代のシチュエーションコメディ『ハッピーデイズ』
- 外見ステレオタイプは、大きいメガネ、歯科矯正、ニキビ、白人、太っているか痩せている
- アメリカではアジア系アメリカ人が最もナードである可能性が高いと認識されている
- 今ナードは、知的で、尊敬され、興味がわく面白い人で、お金を稼げる人だと思われている
アメリカ生まれの娘に、
「あなたはナード?」
と訊いたら、
「何の?」
と訊き返されました。
ナードには、算数のナードとか、アニメのナードとか、何か専門のものがあるようです。
そしてナードには悪い意味はない、言われて怒ることはない、と言っていました。
今の認識はそんな感じのようです。