どこに住むか考えた時、人によって優先する事項は様々です。
気候、地域との繋がり、生活費の高さ、雇用、治安、遊べる場所の有無…。
この記事では、Bankrate社が2020年に発表した、
アメリカで住みやすい街ランキングベスト10
をお送りします。
色々な団体がそれぞれの視点で住みやすい街ランキングを出していますが、いちばん検討項目が多かったのがBankrate社で、信頼が置けると判断しました。
項目は、
- 住宅費
- 平均給与と生活費
- レストランなどレクリエーションの数
- 雇用と失業率
- 犯罪率と治安
- 街の成長度
と多岐に渡っています。
日本人でも住みやすいのか?も一緒に考えています。
アメリカで住みやすい街トップ10
アメリカで住むのに適した場所はどこでしょうか?
1位から発表します。
1位:テキサス州オースティン
費用:6 文化:7 治安:8 雇用:8 教育:9
※費用:住宅費や生活費など 文化:レクリエーション施設など
※点数は10点満点です。
オースティンは、テキサス州中央部にある都市で、州都です。
サウス・バイ・サウスウエスト (音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルを組み合わせた大規模イベント)やオースティン・シティ・リミッツ・ミュージック・フェスティバル(ロック・フェス)の開催地で、文化的に賑やかです。
人口は急激に増加していますが、比較的低い生活費と、堅実な雇用市場を維持しています。
IT産業の発展がめざましく、郊外はシリコンバレーならぬシリコンヒルズと呼ばれています。
アメリカで最も教育水準の高い都市のひとつで、テキサス州立大学オースティン校の入学者数は5万人を超えます。
またテキサス州は保守的な州として有名ですが、オースティンはリベラルな人が多いと言われています。
オースティンがあるトラヴィス郡の日本人人口は1,451人(全人口の0.14%)、ウィリアムソン郡は530人(0.13%)です。※数字は2010年の国勢調査
日本人会があり、アジアン食材店もいくつかあります。
学校区の良い、お手頃価格の住宅がある郊外に日本人が多いです。
2位:オレゴン州ポートランド
費用:7 文化:9 治安:7 雇用:5 教育:9
ポートランドはオレゴン州北西部にあり、州内最大の都市です。
環境に優しい街として有名で、全米1位と言われています。
文化面もトップクラスで、ダウンタウンはショッピングエリア、レストラン、イベント、ギャラリーがたくさんあります。
NBAとMLSのチームもあります。
文化だけがこの街の良いところではありません。
平均よりも手頃な価格で物が購入できる、バランスの取れた経済力があります。
そして教育の高さも特徴の1つです。
雇用は低めですが、インテル、ナイキ、ボーイングといった大手に就職するチャンスがあります。
ポートランドがあるマルトノマ郡の日本人人口は3,334人(全人口の0.45%)です。
日本人商工会があり、日本人補習校を運営しています。
日本人が移住するのに向いている街と言われています。
3位:ミネソタ州ミネアポリス
費用:8 文化:4 治安:8 雇用:9 教育:9
ミネアポリスはミネソタ州東部にあり、州内最大の都市です。
東に隣接するセントポールと合わせ双子の都市(Twin Cities)と呼ばれています。
ミネアポリスは仕事をしたい人に良い街です。
ユナイテッドヘルス・グループ、ターゲット、ベストバイ、CHS、3Mなどフォーチュン500の企業が市内やその周辺に本社を構えています。
カレッジや大学もあり、高い学業成績を誇っています。
寒い地方なので文化面は少し劣りますが、それでも住民は音楽、アート、野外レクリエーション、野球、サッカーを楽しむために出掛けます。
ミネアポリスがあるヘネピン郡の日本人人口は1,388人(全人口の0.12%)です。
日本人会や日本語補習授業校があります。
4位:ノースカロライナ州ローリー
費用:8 文化:3 治安:9 雇用:8 教育:9
ローリーはノースカロライナ州中央部にあり、州都です。
オークの木が多いことから、オークの街(City of Oaks)と呼ばれています。
急成長を遂げた町で、最も教育水準の高い都市、最も安全な場所のひとつです。
デューク大学、ウォルマート、ターゲットなどが地域経済を引っ張っています。
文化の点数が低いですが、確かにリストにある他の街よりも一人当たりの飲食施設、飲酒施設、アートやレクリエーション事業は少ないです。
しかし地ビール鋳造とレストランの強力なコミュニティがあります。
ローリーがあるウェイク郡の日本人人口は1,023人(全人口の0.11%)です。
チャペルヒル・ダーラム日本人会や補習授業校があります。
5位:オハイオ州シンシナティ
費用:9 文化:6 治安:9 雇用:6 教育:7
シンシナティはオハイオ州南西部、オハイオ川の河畔に位置します。
費用が手頃で、治安の良いシンシナティは、この2点で上位にランクされました。
住宅費と維持費が比較的安く、犯罪率も低くなっています。
クローガー、プロクター・アンド・ギャンブル、メイシーズなどの大手企業があるのも魅力です。
フォーチュン500の企業が7社、本社を置いています。
住民はシンシナティ交響楽団やシンシナティ・オペラ、博物館、美術館、MLBやNFLのスポーツを楽しんでいます。
シンシナティがあるハミルトン郡の日本人人口は841人(全人口の0.10%)です。
日本語補習校があり、日本食が手に入るスーパーもあります。
6位:コロラド州デンバー
費用:6 文化:7 治安:5 雇用:8 教育:9
デンバーはコロラド州中北部に位置する都市です。
標高が1マイルなので、マイルハイシティ(Mile-High City)と呼ばれています。
低い失業率、通勤時間の短さ、大規模な多数の雇用主が、デンバーの雇用ポイントを他の街より優位にしています。
デンバーはロッキー山脈のふもとにあり、豊富なアウトドア・アクティビティに溢れています。
街ではアート、音楽、ナイトライフなども楽しめます。
デンバーがあるデンバー郡の日本人人口は1,590人(全人口の0.26%)です。
サクラスクエアにはお寺があり、日本食を手に入れることもできます。
近郊には日本語補習学校があります。
7位:テネシー州ナッシュビル
費用:6 文化:6 治安:5 雇用:8 教育:8
ナッシュビルはテネシー州中北部にあり、州都です。
ミュージックシティ(Music City)と呼ばれ、音楽産業が活発です。
雇用では、ヘルスケア業、教育業、自動車生産業、金融業、保険業が大部分を占めています。
ヴァンダービルト大学をはじめとする4年生大学が多くあります。
住民は活気に満ちたレストラン、音楽の会場、たくさんの博物館やアトラクションを楽しんでいます。
生活費も比較的手頃ですが、住宅価格は近年急騰しています。
ナッシュビルがあるデイヴィッドソン郡の日本人人口は533人(全人口の0.08%)です。
日産の北米最大の工場があり、日系企業が増えています。
日本食材はインターナショナルマーケットで購入できます。
8位:ケンタッキー州ルイビル
費用:8 文化:5 治安:5 雇用:5 教育:6
ルイビルはケンタッキー州西部にあり、オハイオ川沿いに位置します。
安価な住宅と生活費の低さを誇る、アメリカで最も住みやすい場所のひとつです。
教育水準も高く、ルイビル大学には22,000人以上の学生が在籍しています。
住民は、州内で作られた食べ物やバーボンを提供する地元のレストランを楽しんでいます。
ケンタッキーダービー(競馬)やフォアキャッスル・ミュージックフェスティバルなどの文化イベントの開催地でもあります。
ルイビルがあるジェファーソン郡の日本人人口は416人(全人口の0.06%)です。
日本人会があり、日本語補習校もあります。
日本食材店はありませんが、韓国系スーパーで少し購入できます。
9位:ミズーリ州カンザスシティ
費用:8 文化:3 治安:4 雇用:9 教育:7
カンザスシティはミズーリ州西部に位置し、州最大の都市です。
市内には200か所以上の噴水があり、噴水の街(Fountain City)と呼ばれています。
中西部でも6位の都市で、活気のある雇用市場と低コストが魅力的な街です。
アマゾン、フォード、ゼネラルモーターズ、HCAなどの企業がここにオフィスを構えています。
一人当たりのレストランや飲酒施設のランクは低くなっていますが、文化面が不足している訳ではありません。
街には多くの美術館、交響楽団、カジノ、たくさんの飲食スポットがあります。
またスーパーボウルのチャンピオン、カンザスシティチーフスの本拠地でもあります。
ギャングがはびこり、治安があまり良くないのが課題です。
カンザスシティがあるジャクソン郡の日本人人口は485人(全人口の0.09%)です。
日本人会がありましたが、閉鎖しました。
日本語補習授業校があります。
10位:ルイジアナ州ニューオーリンズ
費用:4 文化:9 治安:3 雇用:3 教育:8
ニューオーリンズはルイジアナ州南部にあり、州最大の都市です。
メキシコ湾に面した港湾都市でもあります。
住みやすさは、驚異的な文化と高い教育水準にあります。
街は再生を迎えており、他の大都市に比べて失業率と犯罪率が高いにも関わらず、人口は急速に増加しています。
求職者はハラーズ・ニューオーリンズ・カジノやホテル、オクスナー・ヘルスシステム、チューレーン・ヘルスシステムなどの大規模雇用主が雇ってくれます。
費用は低めの点数ですが、ニューオーリンズの生活費は他の多くの都市よりもずっと低くなっています。
住民や訪問者は、賑やかな音楽、食べ物、バーを楽しめます。
ニューオーリンズがあるオーリンズ郡の日本人人口は186人(全人口の0.05%)です。
日本人会がジェパン・フェストで日本文化の紹介を行なっています。
日本語補習校があり、日本食レストランも多くあります。
参考:America’s best places to live in 2020
アメリカで住みやすい街ランキングベスト10でした。
どこもアメリカらしい生活を楽しめそうな街でしたね^^
日本人が多い街は日本人が住みやすい街?
リストを見ていて、疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。
日本人でも住みやすいのかしら?
そうですね、日本人もそうかと言うと、私は違う気がします。
先のランキングの「日本人にとってはどう?」で日本人の人口と割合に触れましたが、日本人の多さは私たち日本人にとても重要だと思います。
アメリカらしい生活にどっぷり浸かりたい!日本食なんて要らない!という方には良いですが、日本らしさも欲しいな…という方は、日系スーパー・日系美容院など日本文化もある=日本人が多い街、をおすすめしたいです。
日本人にとって住みやすい街とは?日本人が多いところ?を考えた記事がこちらになります。
良かったらこちらもご覧くださいね!↓
ちなみに…日本人が多く、住みやすいと言われているロサンゼルスの評価も調べてみました。
日本人人口は102,287人、全人口の1.04%にもなります。
カリフォルニア州ロサンゼルス
費用:8 文化:7 治安:3 雇用:6 教育:5
ロサンゼルスはカリフォルニア州南部にあり、州最大の都市です。
スペイン語で「天使たち」を意味します。
驚いたことに、ロサンゼルスの費用の点数は高くなっています。
平均給与が高いため、高い生活費をまかなえるからです。
失業率は少し高めですが、カイザーパーマネンテ、ウォルトディズニー、ソニーなど多くの大規模雇用主がいます。
有名レストラン、バー、アート、イベントも盛んです。
治安と教育は遅れを取っているエリアです。
↑これだけだと分かりにくいですが、アメリカ最大の日本人街、リトルトーキョーがあるのは、日本人にとってポイント高いです^^
もちろん住む目的によって変わり、留学で英語漬けになりたい場合などはまた変わってきます。
まとめ
アメリカで住みやすい街ランキング10!雇用・生活費・遊び場などから、いかがでしたでしょうか。
- 1位:テキサス州オースティン
- 2位:オレゴン州ポートランド
- 3位:ミネソタ州ミネアポリス
- 4位:ノースカロライナ州ローリー
- 5位:オハイオ州シンシナティ
- 6位:コロラド州デンバー
- 7位:テネシー州ナッシュビル
- 8位:ケンタッキー州ルイビル
- 9位:ミズーリ州カンザスシティ
- 10位:ルイジアナ州ニューオーリンズ
でした。
また日本人が多いことで有名なロサンゼルスも紹介させていただきました。
アメリカ人が選んだランキングなので、アメリカ人にとって住みやすい街だったな、というのが印象です。
日本文化や日本食を忘れて、英語だけにどっぷり浸かれるなら良いのですが…。
私のような人間はダメだなー、と思いました^^;<日本文化大好き。
でも旅行など短期滞在には良さそうですね!
留学も良さそうと思いました。