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アメリカ不法移民問題を知ろう!現地に住む移民の私が考えること

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アメリカは移民の国です。

アメリカ合衆国がこれまでに受け入れた移民の数は世界のどの国よりも多く、合計5,000万人を超え、現在も年間70万人近くを受け入れている。

アメリカ合衆国のポートレート – 第1章「多民族の国、アメリカ」 – 在日米国大使館

移民で出来ている国ですから、移民することは問題ではありません。

問題となっているのは、不法な移民です。

2018年秋、大人数の移民キャラバンがメキシコとの国境で突破を試みるなど、不法移民問題が起きています。

この記事では、

  • アメリカの不法移民の人数、国籍、子供、州の割合などの現状と、移民する理由
  • アメリカでは不法移民をどう思っているのか?
  • 移民キャラバンとは?

をご紹介します。

目次

アメリカの不法移民とは

2019年、アメリカに住む外国人は、5,066万人に達しました。

2016年のデータでは、外国人の76%は合法的に滞在していて、44%が米国市民へと帰化しています。
移民の27%が永住者です。

MAKI

私もグリーンカードを保持する合法移民、永住者の1人です。
不法移民問題には、いろいろ複雑な思いがあります。

まずは、不法移民の現状について、見てみましょう。

不法移民の人数は?

国土安全保障省(DHS)の資料によれば、

2015年、1,200万人の不法移民がアメリカに居住しています。

1990年から2007年にかけて、不法移民の数は350万人から1,220万人へと3倍に増えました。
大不況で100万人減り、その後は安定しています。

出身国で多いのは?

55%、圧倒的にメキシコです。

次がエルサルバドルの6%、グアテマラの5%と続きます。

アメリカに多くのメキシコからの不法移民がいる一つの理由は、ブラセロ・プログラムです。

ブラセロ・プログラム
第二次世界大戦中(1942~1964年)人手不足を補うため、合法的にアメリカで出稼ぎをしたメキシコ系ゲストワーカーの制度

プログラム終了後も、多くの労働者がそのままアメリカで働くことを選びました。

ちなみに移民が最も多いメキシコですが、合法移民で帰化率は最も低くなっています。

メキシコ生まれのグリーンカード保持者が帰化しない理由は、

  1. 言語の壁
  2. 関心が無い
  3. 経済的な問題

でした。

MAKI

スペイン語で、言葉の壁は一番無いと思えるのですけどね??
私の住んでいるのがカリフォルニア州だからかも知れませんが、役所や病院の書類には英語とスペイン語の2種が必ず用意されています。(ウラヤマシーです)

居住している州で多いのは?

24%、一番はカリフォルニアです。

テキサスも16%で多いです。
フロリダは7%、ニューヨークが5%です。

MAKI

州境の州はやはり多くなりますね。

18歳以下の子供の割合は?

9%、104万人です。

国税調査局の分析によると、2008年にアメリカで生まれた赤ちゃんの約8%(約34万人)が不法移民を両親に持つ子供でした。

アメリカで生まれた子供は、自動的にアメリカの市民権を得ることが出来ます

そして、その子供が21歳になると、両親の移民ビザのサポーターになることが出来ます。

そのため、非市民から生まれた赤ちゃんを「アンカーベイビー」と軽蔑的な名で呼んだりします。
(カナダでは「パスポートベイビー」なんて言い方もするそうです。)

ただ実際のところ、入国審査を受けていない不法滞在の場合は、永住権申請の資格が無いので、10年間アメリカを離れてから移民ビザを申請することになります。

つまり、アンカーベイビーはそんなに良いものではないです。
(移民ビザが出れば、また直ぐに渡米できます。)

ただし、過去に何度か、恩赦で不法滞在でも永住権が与えられています。

不法移民の入国方法は?

毎年、50万件の違法入国があると推定されています。

出入国審査官や国境巡回を逃れた後、6〜700万人が居住しています。
カリフォルニアでの違法入国が難しくなったこともあり、

アリゾナとメキシコの間の、フェンスのない田舎の山岳地帯と砂漠地帯の国境が、一番の入り口になっています。

また、移住しようとする人々には、安全な通行を約束するという不法入国者の密輸組織(コヨーテと呼ばれます)と、高額な契約をする人もいます。
コヨーテは、もちろん非公式な団体です。

アメリカ国境巡回によると、

1998年〜2004年の間に、メキシコとアメリカの国境で1,954人の移民が死亡しています。
また1993年には、283人の中国人が船舶での不法入国を試み、10人が死亡しました。

その他の不法移民

ピュー研究所によれば、

4〜5,500万人の外国人が合法なビザでアメリカに入国後、ビザが切れてもオーバーステイをしています。
ビザ・オーバーステイは、主に観光ビザビジネスビザです。
彼らは不法入国者に比べれば、教育と財政的に優れている傾向があります。

MAKI

と言っても、立場的には同じ不法移民ですけどね。

なぜ移民するのか?

外国人がアメリカに来る理由は、いくつかあります。

  1. いい仕事がある
  2. 自由がある
  3. 政治的な抑圧から逃げられる
  4. 暴力から逃げられる
  5. 飢饉が無い
  6. 家族と一緒になりたい

などが挙げられます。

MAKI

ちなみに我が家がアメリカに来た理由は、アメリカの会社で仕事をしてみたかったから、でした。
1、2番に近いでしょうか。

不法移民達の理由は、やはり。

経済的に豊かになりたいから

アメリカの雇用者は、母国で得られるよりも高い賃金で、不法移民を雇います。

少し古いデータですが、1978年のオレゴン州の収穫期、メキシコからの不法移民達の調査では、メキシコで得られる収入の6倍の収入を得ていました。

では、

不法移民は入国すれば豊かになっているのでしょうか?

アメリカ合衆国国勢調査局のアンケート結果によると、

高等学校卒業証書または同等の資格を有する試験に合格したとする証明書を持っている割合:25%

大学または準学士号を持っている割合:13%

学士号、大学院、または専門学位を持っている割合:15%

英語だけを話す割合:9%

英語を流暢に話す割合:27%

英語をよく話せる割合:20%

英語をあまり、またはほとんど話せない割合:44%

16歳以上で雇用されている割合:67%

16歳以上で失業中の割合:5%

雇用先で多いところ、ホテル、レストラン、エンターテイメントやレクリエーション:19%

建設17%

専門職、廃棄物管理サービス:15%

製造13%

小売11%

健康保険に入っていない割合:53%

家を持っている割合:34%

どうでしょう、どのようなイメージを持たれましたか?
私は、

子供の頃に渡ってきた人は、そこそこの教育を受け、中には大学院や専門学位を取る人もいる。
そういう人は英語も流暢で、専門職に着き、家を持つ人もいる。
一方、ある程度の年齢で渡ってきた人は、英語は話さず、母国語だけのコミュニティで仕事もしている。
家や保険もなく、余り豊かではないが、母国での生活よりははるかに安定している。

という感じかな、と思いました。

続いて、アメリカでは実際、不法移民はどう思われているのか?を見てみます。

不法移民をどう思っているのか?

不法移民の多いのはカリフォルニア、メキシコ人というのをデータで見ました。

私の住んでいるのはカリフォルニアです。
周りに建設業、製造業、ホテルで働いているメキシコの方はたくさんいますが、その方達が合法か違法かは分かりません。

(自分から話される方はいないので…それに英語はまず話されません。)

なので、不法移民についての賛否両論の記事を調べてみました。

不法移民の良いところ

2つです。

地方経済の復興に貢献する

不法移民達は、市民や合法移民達がやらない仕事でも、現金欲しさに頑張ります。
その結果、生産性が上がり、地域の生活水準が向上します。

これ、本当にそうだなあ、と思います。

不法移民のせいで仕事が減ったと怒る人たちがいました。
でもそういう人達が、不法移民達のしている仕事をするとは、とても思えないです。

文化が多様化する

新しいアイデアや視点が提案され、社会が成長します。

これもそうですね!
アメリカの文化にはない知識やスキルで、良い影響が与えられると思います。

あ、でも、これ、不法じゃなくても良いんですよね、うーん。

移民デモ

不法移民の悪いところ

こちらも2つです。

教育を受けていなくて、低収入だ

先のデータにもありましたが、一般的に教育水準が低くなり、そのため収入も低くなります。

しかしこれを悪いところと言われてしまうと、辛いところです。
低収入の仕事でもやるという、表裏一体の面がありますので。

人口過密になる

カリフォルニアでは、学校を卒業した学生の半数が移民か、移民の子供です。
移民の子供の増加により、収容能力の6%、ひどい時は25%を超えています。

これは…私の周りでもあります。
不法移民のせいかは分かりません。

私の娘の通っていた小学校でも収容能力パンパンで、教室が足りなくて、プレハブ校舎を使っていました。

普通なら地元の学校に通える生徒も、いっぱいで入れずに、抽選で学区外の学校に回されたり、
学期途中に引っ越して来た人は、地元の学校に通えないと先にサインさせらていました。

我が家も入学時には、公立なのに、朝5時から並んで受付しました。
もちろん早くしないと枠が埋まってしまうためです。

本当に学校が足りていません。

ちなみに私が住んでいるところは、移民といってもアジア系が50%、白人は30%というエリアです。
なので不法移民ということは無いと思うのですが…。

賛否両論あるところ

こちらは1つ。

犯罪が増える?

ドナルド・トランプ大統領は、「不法移民は危険だ」と言っています。

反対にバーニー・サンダース上院議員は、「不法移民達の犯罪率は、一般の人々よりも低い」と言っています。

どちらが正しいのでしょう?

これについていろいろ調べてみましたが、不法移民の犯罪に関する全国的な統計は公開されておらず、そのため、論争の種になっているようです。

しかしたくさんの専門家と名の付く人が、

アメリカで生まれた人よりも、不法移民が犯罪を起こす可能性が低い、との結論に至った

と語っています。

私も不法移民=犯罪者、という考えには反対です。
安定を求めて来た彼らが、犯罪をするとは思えないからです。

ただ、2018年秋に話題となっているメキシコ国境の移民キャラバン、一部が暴徒化し、トランプ大統領の厳しい対応が問題視されています。
これについては、どうだろう?と思います。

最後に、その移民キャラバンについてのお話です。

アメリカを目指す移民キャラバン

アメリカでの移民・不法移民で一番多いのは、メキシコでした。
では、

移民キャラバンはどこから来たのか?

中央アメリカのホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルから来ています。

10月12日、ホンジュラスで2番目に大きな都市、サン・ペドロ・スーラで集まり、翌日には移動が始まりました。

理由は?

暴力、貧困、政治的抑圧から逃れるためです。

ちなみに先のサン・ペドロ・スーラは、世界最悪の殺人多発都市と呼ばれている都市です。

きっかけは?

ホンジュラスの元国会議員がSNSでアメリカへの移住を呼びかけたためです。
移民キャラバンができたのは、初めてのことではありません。

2010年には、自己組織されたキャラバンの報告があります。
ただ、とても小さなもので、メディアの注目も集めていません。

2018年の春にも、700人の移民(80%がホンジュラスから)が北へ向かい、メキシコのオアハカに着いた時には1,200人に成長していた、ということもありました。

人数は?

最初は160人ほどでしたが、ホンジュラスを出てグアテマラに着く頃には2,000人、21日にメキシコに入国する頃には、7,000人に膨れ上がっていました。

メキシコの対応

10月26日、キャラバンがチアパス州に滞在中のことです。

メキシコ大統領エンリケ・ペーニャ・ニエトは「Estásen tu casa」(あなたは家にいる)と題したプログラムを発表しました。

これは、特定の基準を満たしているキャラバンの移民なら、メキシコで社会制度を受け、移民の地位を正常化させることができます。

メキシコの法律に従い、このプログラムに従って難民認定を受けた移民は、

  1. 一時的な労働許可証と身分証明書
  2. 診療
  3. 地元施設の住宅
  4. 子供のための学校教育

を受けることができます。

しかし、資格を得るためには、チアパス州やオアハカ州に定住し、北に移動しない(キャラバンに参加しない)ことに同意しなければなりません。

MAKI

メキシコも3国に比べれば、豊かな国です^^

移民キャラバンは難民なのか?

移民キャラバンの人達が、本国で苦しい生活を送り、より良い生活を求めていたのは本当です。

そういう意味では、難民と言えるでしょう。

しかし今回は余りにも人数が多いのと、アメリカ中間選挙と時期が重なったため、政治的利用されているのではないかなど、色々と問題が起きています。

先ほど、「サン・ペドロ・スーラは世界最悪の殺人多発都市」と書いたため、ホンジュラスは北斗の拳のような世界なのか?と思われたかも知れません。

でも、上の写真も、ホンジュラスです。

ホンジュラスより豊かだと言ったメキシコも、ご存知のように、治安の悪いところはたくさんあります。
メキシコよりもアメリカは豊かかも知れませんが、アメリカも危ないエリアはたくさんあります。

上を見れば、切りがありません。

記事をあちこち探している時に、ホンジュラスかグアテマラでボランティアをしている人のこんな言葉を読みました。

若い人は、国を捨てずに、建て直すために頑張って欲しい

故郷を捨てるのは、とても辛く、勇気がいることだったと思います。
安全な国の奴が何を言っているんだと言われると思います。

でも、立て直す人がいなくなったら、国はどうなってしまうだろうと、思わずにいられません。

まとめ

アメリカ不法移民問題を知ろう!現地に住む移民の私が考えること、いかがでしたでしょうか。

  • アメリカの不法移民は1,212万人、出身国で多いのはメキシコ、カリフォルニア州に主に住んでいる
  • 18歳以下の子供の割合は9%、21歳を過ぎれば移民ビザのサポーターになれる
  • 入国方法は、出入国審査官や国境巡回を逃れた後、6〜700万人が居住している
  • また合法ビザで入国後、ビザが切れてオーバーステイしている人もいる
  • 移民する理由は、いい仕事がある、自由がある、政治的抑圧から逃げられるなど
  • 不法移民はメキシコの6倍の収入を得ていた例もある
  • 実際に裕福になっているかと言えば、良い教育を得て専門職に着き、家を持つ人もいれば、
  • 母国語だけのコミュニティで、余り豊かではないが、安定した生活を送る人もいる
  • アメリカでは不法移民をどう思っているのか?良い点は、地方経済の復興に貢献している
  • 文化が多様化するなど、悪い点は、教育を受けていなくて低収入、人口過密になる
  • 犯罪が増えるかどうかは、賛否両論ある点
  • 移民キャラバンは中央アメリカからの難民で組織されている
  • 理由は、暴力、貧困、政治的抑圧から逃れるため
  • 2018年秋のキャラバンは人数が多く、アメリカ中間選挙と時期が重なったため、政治的利用を疑われた

でした。

私もアメリカへの移民で、ビザ持ちだから分かるのですが、合法ビザを貰うのって、すご〜く大変です。
お金も時間も掛かります。

難民が保護されるのは分かります。
でも正直、戦争が起きてる訳じゃないのに、あの人数はな、と思います。

暴力で突破しようとか、
不法移民のために税金が大量に使われるのは、
違うんじゃない?って思っちゃいます。

不法移民問題、本当に色々な思いが交錯します。

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