NFLはNational Football Leagueの略で、アメリカンフットボールのプロリーグです。
アメリカではいちばん人気のあるスポーツですが、MLB、野球のように日本人選手活躍の話は聞きません。
体格が違うし、やっぱり難しいのかな?
でも最近では、技術的にも負けていない選手も多くなっていると聞きました。
難しいと言われていたNBA、バスケットボールでも日本人選手が出ていますし、期待したいですよね!
この記事では、
- 2020年に登録されている日本生まれの選手
- NFL選手になれる可能性の厳しさと、なる方法
- 日本人初のNFL選手候補&だった7人
をご紹介します。
まずはNFLの海外選手リストからスタートです!
2020年NFLシーズンで在籍している日本生まれの選手
NFLの海外選手リストで、日本をチェックしてみました。
次の2人です。
国籍 | 選手名 | ポジション | チーム | 初年度 |
---|---|---|---|---|
アメリカ | Robert Griffin III | QB | ボルチモア・レイブンズ | 2012 |
アメリカ | DaeSean Hamilton | WR | デンバー・ブロンコス | 2018 |
2人とも生まれが沖縄のアメリカ人。
ご両親が軍の方で、駐留していた時に誕生したそうです。
んー、これは望んでいたものとは違いますね。
ちなみにアジア国籍では、韓国の方で選手がおりました。
国籍 | 選手名 | ポジション | チーム | 初年度 |
---|---|---|---|---|
韓国 | Younghoe Koo | K | アトランタ・ファルコンズ | 2017 |
ク・ヨンフェ選手、韓国出身では4人目の選手です。
小学生の頃に渡米し、大学ではドラフト指名されませんでしたが、ロサンゼルス・チャージャーズにドラフト外で入団しました。
アジア人で最初にNFLでドラフトされたのもソウル出身の韓国人、ジョン・リー選手です。
残念ながら1シーズンだけの活躍でした。
日本人も仲間入りして欲しいですね。
しかしそもそも、NFLに入るにはどうしたら良いのでしょう?
日本人もアメリカ人も条件は同じ!
NFL入団の方法を見てみます。
NFLの選手になるには?
アメフトはアメリカでいちばんの人気スポーツですから、アメリカ人の若者でも選手になりたい人はたくさんいます。
NFL選手になれる可能性はどのくらいあるのでしょうか?
NFL選手になれる可能性は?
NFLプレーヤー協会の統計によると、
アメフトをしている10万人の高校生の内、選手名簿に載ることができるのは215人だけです。
つまり0.2%!!
大学レベルの選手になった9千人の選手の中でも、ドラフト候補生の集まるNFLスカウティングコンバインに招待されるのは310人だけです。
非常に狭き門です。
NFL選手になる主な方法
主な方法は2つです。
- アメリカの高校や大学に行きドラフトを狙う
- トライアウトを受ける
気になる質問をチェックしながら、ひとつずつ見ていきます。
アメリカの高校や大学に行きドラフトを狙う
ただし大学でのドラフト率は2%と言われています。(NBAは更に厳しく1%)
しかもドラフトされたとしても、プロとしてのキャリアが成功する保証はありません。
高校からNFLに入れる?
NFLのルールにより、高校を出てから3年はドラフト出来ないことになっています。
なので高校から直ぐにNFL選手になった人はいません。
アモビ・オコイエ選手です。
2歳半で小学校に入学、10歳で6学年をスキップ、中学は2週間で卒業し、大学は3年半で学位を取得しました。
2007年、19歳10ヶ月18日の時に1巡目、全体10位でNFLドラフトされ、ヒューストン・テキサンズに入団しています。
最年少って、入れるのは皆、同じ年齢では?と思ったら、アメリカには飛び級がありましたね。
年齢ではなく、学校の卒業で制限しているのが面白いなと思いました。
NFL選手の多い大学はどこ?
ドラフト狙いで大学を選ぶのも良いかも!
- アラバマ大学(56人)
- オハイオ州立大学(50人)
- ルイジアナ州立大学(41人)
- フロリダ大学(39人)
- ミシガン大学(33人)
- ジョージア大学、ペンシルバニア州立大学(32人)
- マイアミ大学(30人)
- オクラホマ大学、ノートルダム大学、クレムソン大学(29人)
参考:Colleges That Have Produced the Most NFL Players
NFLスカウティングコンバインとは?
インディアナ州インディアナポリスのルーカス・オイル・スタジアムで毎年2月下旬に開催される、NFLのドラフト候補生のためのテストです。
参加者は招待を受けた人だけ、運動とメンタルのテストを行います。
NFL各チームのコーチやスカウト陣も集まり、候補生の能力をチェックします。
運動能力のテストは、
- 40ヤード(約37メートル)走
- 225パウンド(約102キロ)のバーベルを持ち上げるベンチプレス
- 垂直跳び
- 立ち幅跳び
- 20ヤード(約18メートル)シャトルラン
- 60ヤード(約55メートル)シャトルラン
- 3コーンドリル
- 各ポジションの個別テスト
など。
NFL公式サイトにテストの動画がありました。
Youtube上でしか再生できない設定なので、リンクを貼っておきます。
キツそうですね〜。
運動以外には、
- 面接
- 身体測定
- 怪我の有無
- 薬物検査
- サイベックステスト(筋力測定)
- ワンダリックテスト(知能テスト)
なども行います。
残念ながらドラフトされなかったとしても、諦めることはありません。
トライアウトを受ける
NFLのトライアウトは毎年行われています。
例年NFLスカウトが多数参加し、参加者のレベルも非常に高いのが特徴です。
プレーしている映像(DVD)をコーチが気に入れば、連絡が来てトライアウトの日時と場所を教えてくれます。
コーチの時間は限られているので、価値を認めさせるのが重要です。
日本人も、社会人アメリカンフットボールリーグ、Xリーグで活躍をしたり、国際試合で良い結果を出せば、スカウトの目に留まりやすくなります。
次の動画はオーストラリアのプロリーグのトライアウトの様子です。
きっとアメリカでも似たような感じではないでしょうか…。
それでは、NFLに最も近付いた日本国籍の日本人選手を見てみます。
日本人初のNFL選手を目指した・目指す人達
NFLを目指した・目指している方のご紹介です。
(アメリカのwikiにも載っている日本人選手は1〜3番の3名。)
- 河口正史(1973年2月19日生まれ)
- 木下典明(1982年12月29日生まれ)
- 庄島辰尭(1993年8月18日生まれ)
- 栗原嵩(1987年11月7日生まれ)
- 櫻井義孝(1988年11月28日生まれ)
- 山崎丈路(1993年9月2日生まれ)
- 佐藤敏基(1993年9月30日生まれ)
ひとりずつ詳しく見ていきます。
河口正史
ポジション | 生年月日 | キャリア |
---|---|---|
ラインバッカー | 1973年2月19日(47歳) | アムステルダム・アドミラルズ サンフランシスコ・49ers* |
日本人初のNFLに近づいた男と言われました。
カリフォルニア州の高校、サン・クレメンテ・ハイスクールで17歳の時からアメフトを始めました。
卒業後は帰国して立命館大学国際関係学部に入学、その後はアサヒビールに入社しました。
1997年から2004年、NFLヨーロッパのアムステルダム・アドミラルズで7年間、ラインバッカーとしてプレー。
1999年にオールNFLヨーロッパに選ばれました。
1998年にはグリーンベイ・パッカーズのトレーニングキャンプに参加、NFLトレーニングキャンプ参加初日本人4人の1人でした。
2003年、NFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズのキャンプに招集されましたが、*開幕前にリリースされました。
現在はコーチや解説者をしています。
アメリカンフットボールを世界に広めようとNFLが主催しました。
1991年に始まり、アメリカ、カナダ、ヨーロッパを本拠地とした10チームでリーグ戦を行いました。
しかしアメリカ国内での人気が今一つで、北米チームは1992年で終了、1995年からヨーロッパだけのリーグとなりました。
日本からも多数の選手が参戦しましたが、NFL入団はならず、NFLヨーロッパは2007年で解散しています。
木下典明
ポジション | 生年月日 | キャリア |
---|---|---|
ワイドレシーバー | 1982年12月29日(37歳) | アムステルダム・アドミラルズ アトランタ・ファルコンズ* ニューヨーク・センチネル オービックシーガルズ |
NFLに最も近い日本人と呼ばれました。
5歳でアメフトを始め、才能を発揮しました。
大学は立命館大学に通い、経営学を専攻しながら立命館パンサーズでプレーしました。
卒業後、2005年にNFLヨーロッパのアムステルダム・アドミラルズに入団。
2006年にはオールNFLヨーロッパチームにスペシャルチームプレイヤーとして選ばれています。
2007年、お気に入りのチームであるNFLアトランタ・ファルコンズのキャンプに参加。
しかし*キャンプ終了後にリリースされました。
2008年、NFLの外国人練習生制度のキャンプに参加、16人の国際選手の中で日本人で初めてメンバーに選出されました。
アトランタ・ファルコンズのキャンプに参加しました。
2011年から現在、日本のXリーグのオービックシーガルズに所属しています。
庄島辰尭
ポジション | 生年月日 | キャリア |
---|---|---|
センター | 1993年8月18日(27歳) | オービックシーガルズ |
UCLAでNFLへの夢を実現するため奮闘しました。
9歳の時にカリフォルニア州レドンドビーチへと家族で引越し、公立高校、レドンドユニオン高校に入学しました。
2010年にガソリンスタンドで武装強盗を鎮圧したという逸話があります。
日本に戻り高校卒業後、再度渡米。
サンタモニカカレッジに入学、チームキャプテンも務めました。
2015年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校に入学し、スカウトチームのプレーヤーとして活躍しました。
2016年春の四半期から6四半期連続でアスレチックディレクターのアカデミーオナーロールに選ばれています。
対戦する相手に備え、相手チームになりきってプレーを再現する。最適な練習台。
2018年、大学でNFLドラフトを期待しましたが、叶いませんでした。
現在はXリーグのオービックシーガルズに所属しています。
栗原嵩
ポジション | 生年月日 | キャリア |
---|---|---|
ワイドレシーバー | 1987年11月7日(33歳) | パナソニック インパルス IBMビッグブルー みらいふ福岡SUNS |
大学卒業後、2009年からXリーグのパナソニック インパルスでプレーしていました。
2012年にNFLに挑戦するため渡米。
2013年にボルチモア・レイブンズのミニキャンプに招待されましたが、ビザの問題で参加出来ず、帰国後はIBMビッグブルーでプレーしました。
現在はXリーグのみらいふ福岡SUNSに所属しています。
櫻井義孝
ポジション | 生年月日 | キャリア |
---|---|---|
プレースキッカー | 1988年11月28日(32歳) | アサヒビールシルバースター |
高校までサッカーをしていたが、中央大学に入りアメリカンフットボールに転向しました。
卒業後はXリーグのアサヒビールシルバースターに所属、2011年には世界選手権の日本代表候補に選ばれています。
仕事を辞め渡米、NFLのテストには4回挑戦し、2012年にはスーパー・リージョナル・コンバインに唯一の日本人として参加しています。
キャンプ召集は可能でも、実績の面から契約は難しいと判断し帰国、NFL挑戦には区切りを付けました。
日本の社会人アメリカンフットボールリーグです。
国内最高峰のリーグですが、NFLのようにお金を貰いながらプロとして選手をするものではありません。
平日は仕事があるので、練習のメインは週末です。
山崎丈路
ポジション | 生年月日 | キャリア |
---|---|---|
プレースキッカー | 1993年9月2日(27歳) | エレコム神戸ファイニーズ オービックシーガルズ |
小学生の頃からサッカー一筋でしたが、大阪大学でアメリカンフットボール部から勧誘を受け、入部しました。
大学4年の2017年にNFLのトライアウトに参加、高評価でしたが実績不足から声は掛からず、現在はXリーグのオービックシーガルズに所属し、国内での実績作りをしています。
佐藤敏基
ポジション | 生年月日 | キャリア |
---|---|---|
プレースキッカー | 1993年9月30日(27歳) | IBMビッグブルー |
早稲田大学高等学院でアメフトを始めました。
2016年からIBMビッグブルーに所属、好成績を残しています。
2020年、NFLのトライアウトで公認の代理人と契約し、選手登録を目指しています。
まとめ
NFLに日本人選手は誕生する?挑戦した・している7人を紹介!、いかがでしたでしょうか。
- 日本出身の選手はいるが、沖縄生まれのアメリカ国籍
- アメリカ人でもNFL選手になれる可能性は0.2%
- 選手になる方法は、高校や大学からのドラフトと、トライアウトを受ける
- 日本人初の選手を目指した・目指す7人は、
- 河口正史
- 木下典明
- 庄島辰尭
- 栗原嵩
- 櫻井義孝
- 山崎丈路
- 佐藤敏基
でした。
もうあと少しで手が届きそう、というのが分かって頂けたかと思います。
初が生まれるのもきっと近いと感じました!