ヒッピーって何?
どういう意味?
私が初めてヒッピーを意識したのは、スティーブ・ジョブズが亡くなった時。
若かりし頃、彼がヒッピーだったと知りました。
さもありなん、実はヒッピーは、私の住んでいるサンフランシスコが発祥の地だったのでした。
これは詳しく知りたくなる!
この記事では、
- ヒッピーの語源と発祥
- フラワーチャイルドとダークサイド
- ファッションの特徴
- 有名人、音楽、映画
- ヒッピーカルチャーの頂点と終わり
などなど、分かりやすく楽しく説明しています。
私のヒッピーのイメージと言えば、長髪にヘッドバンド、自然を愛する、ラブ&ピース!でしたが…。
ヒッピーとは?
まずは簡単に。
ヒッピー(Hippie)とは:
1960年代後半に登場した、アメリカの社会体制を否定する若者たちのムーブメント。
泥沼化していたベトナム戦争が背景にあり、自然回帰を主張し、愛と平和(ラブ&ピース)、自由を愛しました。
発祥はサンフランシスコのダウンタウン、ヘイト&アシュベリー。
ここでヒッピーたちが最初に共同生活を始めました。
こちらは現在の街並みが伺える動画です。
普通の街並みと比べるとカラフルかな^^
語源は、ジャズ用語の「ヒップ(hip)=調子を合わせる」や「ヒップスター(hipster)=ジャズの熱烈な支持者」だと言われています。
フィーリングに敏感、みたいな意味があったようです。
非暴力と愛を!
ヒッピーは、フラワーチャイルド、フラワーチルドレンとも呼ばれました。
平和と愛の象徴として、花を飾ったことが理由で、『武器ではなく、花を』がスローガンでした。
ベトナム戦争反対のデモをペンタゴンで行った際には、警備隊とデモ参加者が衝突!
州兵が突きつけた銃口に、ヒッピーの青年が花を挿すという「漫画か!?」という出来事がありました。
まさにフラワーチルドレン!!
また『戦争をしないで恋をしよう(Make love, not war)』というスローガンも使われ、世界中の反戦デモで使用される有名な言葉となりました。
ヒッピー文化のダークサイド
平和を愛したヒッピーでしたが、暗い面もありました。
ドラッグ
高揚感を求め、マリファナやLSDを多く利用しました。
当時は取り締まりが緩かったこともあり、ミュージシャンの利用も多かったです。
特にマリファナ(大麻)は、良性の薬物と認識されていました。
カルト集団となったヒッピーコミューン
コミューンの指導者だったチャールズ・マンソンは、ロサンゼルスのハリウッドでドラッグ売買やクレジットカード泥棒で生計を立て、仲間を増やしました。
そしてマンソンの指示に従う殺人集団となりました。
有名なのは、映画監督のロマン・ポランスキーの妻だった女優のシャロン・ステート(当時妊娠8か月)とロマンの親友など3人が惨殺された事件です。
チャールズ・マンソンらによる凄惨な事件が題材の小説がこちら。↓
ザ・ガールズ
エマ・クライン著。
1960年代の終わり、夏の初めに孤独で思いやりのあるティーンネイジャーのエヴィは、魅力的な年上の女性スザンヌに夢中になる。
そして悪名高いカルトとカリスマ的リーダーの輪に引き込まれる。
次はヒッピーファッションについて見ていきましょう。
ヒッピーファッションの特徴
自然回帰がテーマのヒッピーなので、ファッションはシンプルでした。
一方で、異文化感を出すことも大切にしていました。
以下、特徴を箇条書きにしてみます。
- 服は緩く、綿や麻などの天然繊維
- 髪を長く伸ばし、自然に
- 男性はヒゲを伸ばす傾向
- 手作りのものが賞賛され、色とりどりの絞り染めが人気
- 花柄やサイケデリックなデザインも
- ベルボトムジーンズ、足元にはフリンジ(ふさ飾り)
- 手作りのアクセサリー(ベトナム戦争の激化で平和のシンボルが人気に)
花は愛と平和を象徴するものです。
トップスやドレスに花柄が人気で、スカートやジーンズにも花が飾られました。
髪には生花を、顔にも花の絵を描きました。
ヒッピーファッションを楽しもう!ブランドは?
今でも買えるヒッピーぽいファッションを探してみました!↓
どうでしょう?^^
お店も探してみましたが、こちらが良さそうな気がしました。
花柄、ペイズリー、タイダイ、サイケデリックとヒッピーファッションのキーワードが揃っていました!
店名もピッタリですね!^^
ヌードもあった!
一方、自然回帰から、服を着ないスタイルも生まれました。
女性でもこのスタイルを好む人達がいました。
フェスティバルをトップレスで楽しんだり、コンサートに全裸で参加したり。
生まれた姿に?
でもサンフランシスコは夏でもかなり涼しいですよ^^;
今考えると、ちょっとビックリですね。
次は、ヒッピーの有名人などをご紹介します。
実際に見る・聞くヒッピー
ヒッピーで有名な人、音楽、映画です。
有名なヒッピー
- ジョーン・バエズ
- ジャニス・ジョプリン
- ジョニ・ミッチェル
- ジェイド・カストリーノス
- グレイス・スリック
- スティーヴィー・ニックス
- ジェーン・フォンダ
- リサ・ボネット
- グロリア・スタイネム
- カーリー・サイモン
ひとりずつ見ていきます。
ジョーン・バエズ
シンガーソングライター。
ボブ・ディランの元恋人。
50年以上にわたって演奏し、30枚のアルバムをリリース。
平和と人権のための活動家。
ジャニス・ジョプリン
シャウト型ヴォーカリスト。
サイケデリックな魂の女王と呼ばれた。
歴史上最も偉大な100人のシンガーで46位。
ジョニ・ミッチェル
カナダのシンガーソングライター。
フラワーチャイルド。
クリスマスソング「リバー(River)」で有名。
ジェイド・カストリーノス
Edward Sharpe and the Magnetic Zerosの元メンバー。
シンガーソングライター。
心を高揚させる声の持ち主。
グレイス・スリック
シンガーソングライター。
アシッドクイーン。
サイケデリックロックの第一人者。
スティーヴィー・ニックス
ローリング・ストーン誌から「最高のヒッピークイーンアースマザー」と呼ばれる。
フリートウッド・マックのメンバー。
かつてのファッションリーダー。
ジェーン・フォンダ
女優、政治活動家。
反戦を訴え、ヒッピー達と基地に侵入、逮捕される。
ハノイ・ジェーン。
1972年7月にベトナム民主共和国を訪れた際、飛来したアメリカ軍機を撃墜するために設けられた高射砲に座り、北ベトナム軍のヘルメットを被ってポーズをとった。さらにハノイに抑留されているアメリカ兵士の戦時捕虜を「死刑にすべき」と発言した。
ジェーン・フォンダ
後にこの時の写真と記事は世界中に配信され、その後フォンダは「祖国への裏切り行為で自分の判断の誤りだった」と釈明したものの、「ハノイ・ジェーン(Hanoi Jane)」と呼ばれ、長年に渡りベトナム退役軍人とその家族を中心に「売国奴」、「裏切り者」として大きな批判を浴び続ける。
リサ・ボネット
サンフランシスコ出身の女優。
レニー・クラヴィッツと結婚するも離婚。
ウェイビードレッド、古着スタイルが特徴。
グロリア・スタイネム
ラディカル・フェミニズム運動の活動家。
全国女性政治リーダー会議のメンバーで、女性行動連盟の創立者。
雑誌「ミズ(Ms)」を創刊。
カーリー・サイモン
シンガーソングライター。
フォーク畑出身、ソロ転向後に開花。
グラミー賞、アカデミー賞受賞、ソングライターの殿堂入り。
参考:The 10 Hottest Celebrity Hippies of All Time
寺山修司、大島渚、横尾忠則、忌野清志郎、オノ・ヨーコ、カルメンマキ、萩原健一などがヒッピーとして活動、もしくは大きく影響を受けたと言われる人達です。
シンガーソングライターが多かったですね。
という訳で、次は音楽です。
ヒッピーミュージック
5曲ご紹介します。
- 花のサンフランシスコ
- ホワイト・ラビット
- あなただけを
- 夢のカリフォルニア
- Summertime
花のサンフランシスコ
スコット・マッケンジー。
ホワイト・ラビット
ジェファーソン・エアプレイン。
あなただけを
またジェファーソン・エアプレイン。
夢のカリフォルニア
ママス&パパス。
Summertime
ジャニス・ジョプリン。
参考:Hippie music
最後に映画です。
ヒッピーを描いた映画
- 白昼の幻想
- ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間
- Eggshells
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
- Helter Skelter
- イージー・ライダー
- ジャック・ニコルソンの嵐の青春
- ワンダーウォール
- アクロス・ザ・ユニバース
白昼の幻想
1967年の映画。
監督・製作、ロジャー・コーマン。
脚本、ジャック・ニコルソン。
出演、ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー。
LSDドラッグの幻覚症状をサイケデリックな色調で映像化。
ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間
1969年に行われたウッドストック・フェスティバルのドキュメンタリー。
Eggshells
amazon.com
1969年の映画。
監督、トビー・フーパー。
ヒッピーのコミューンを描いた実験的作品。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
2019年の映画。
監督、クエンティン・タランティーノ。
出演、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット。
シャロン・テートの殺害事件がモチーフ。
Helter Skelter
amazon.com
1976年のTV映画。
マンソン・ファミリーの事件がテーマ。
イージー・ライダー
1969年の映画。
監督、デニス・ホッパー。
出演、ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン。
ヒッピー2人が主人公。
ジャック・ニコルソンの嵐の青春
1968年の映画。
出演、ジャック・ニコルソン。
ヘイトアシュベリーを舞台に、ドラッグ・カルチャーにのめり込む若者を描く。
ワンダーウォール
amazon.com
1968年の映画。
英国のサイケデリック映画。
アクロス・ザ・ユニバース
2007年のミュージカル映画。
政治活動の影響を受けた1960年代の4人の若者が主人公。
参考:The Best Movies About Hippie Subculture, Ranked
いろいろ見てきましたが、ヒッピー文化の終わりは…?
ヒッピーカルチャーの頂点と終わり
ヒッピーカルチャーの頂点は、1969年8月にニューヨーク州郊外で行われたウッドストック・フェスティバルだと言われています。
初めて行われた大規模な野外コンサートで、30組以上のロック・ミュージシャンなどが出演し、入場者は40万人以上!集まりました。
カウンターカルチャーの集大成、愛と平和と自由のフェスティバルと語られますが、ドラッグが横行するなど、色々問題も多かったようです。
でも暴力事件などの犯罪は一切報告されていません、そういう意味では、ラブ&ピースな祭典だったようです^^
ところがこのわずか4ヵ月後の1969年12月、カリフォルニア州オルタモント・フリーコンサートでは、演奏中に黒人の観客がヘルズ・エンジェルス(警備員)に殺されるという悲劇が起きました。
別名、オルタモントの悲劇と呼ばれています。
しかもこの様子は撮影されており、ドキュメンタリー映画として発売もされています↑
ラブ&ピースと人種差別とは真逆となってしまったイベントに、ヒッピー達はどんな思いだったことでしょう。
ここから少しずつ、ヒッピーカルチャーは終わりを迎えていきます。
- ウッドストック・フェスティバルでトリをつとめ、ヒッピーを引っ張っていたジミ・ヘンドリックスが1970年に27際の若さで死亡したこと。
- ベトナム戦争が1975年に終わったこと。
色々な要素も重なりました。
ヒッピー達は髪を切り、大人になっていったのでした。
現代にもヒッピーはいます。
今はボヘミアン、またはナチュラリストと呼ばれています。
まとめ
ヒッピーのファッションと文化を大特集!自然と平和を愛した人達、いかがでしたでしょうか。
- ヒッピーはアメリカの社会体制を否定する若者たちのムーブメント
- 語源は「hip」「hipster」
- 発祥はサンフランシスコ
- フラワーチルドレンとも呼ばれた
- ドラッグを利用、カルト集団から殺人集団になったところも
- ファッションは長髪、ベルボトム、花柄、絞り染め、手作り、アクセサリー
- ヌードもあり
- ヒッピーカルチャーの頂点はウッドストック・フェスティバル
- しかし4ヶ月後にはオルタモントの悲劇が起きる
- そこから少しずつベトナム戦争終結に向け、ヒッピーカルチャーは終わりを迎える
でした。
スティーブ・ジョブズの話に戻りますが、彼はできるだけ自然に治したいと考え、手術が遅れ、手遅れになって亡くなったんですよね。
もしかすると、若い頃のヒッピーの考え、自然回帰の思いが残っていたのかもしれないなと思いました。
彼は早く手術をすれば良かったと後悔していたそうですが…。
でも、ラブ&ピースの思想は、今またぜひ広まって欲しいなと思います。