アメリカ独立宣言は、アメリカ独立戦争が行われている最中に採択されました。
独立してないのに宣言とは、気が早すぎますね?
こちらの記事では、
- アメリカ独立宣言とは?
- 原文と和訳
- 署名した人の内訳
- 内容は3つに分けられる
- 現物はどこに?
と、独立宣言がされた理由を、わかりやすく説明しています。
アメリカ独立宣言とは
まず簡単にまとめます。
- アメリカ独立宣言(アメリカどくりつせんげん)
英語だと、ユナイテッド・ステイツ・デクラレイション・オブ・インディペンデンス(United States Declaration of Independence) - いつ?:1776年7月4日
- どこで?:フィラデルフィアの第二回大陸会議
- 誰が?:トーマス・ジェファーソンが起案し、ベンジャミン・フランクリン、ジョン・アダムスが修正
- 何をした?:満場一致で採択された
- どうして重要?:民主主義の基本原理を謳っていて、のちのアメリカ合衆国憲法の基となっているから
アメリカ独立宣言は、ボストン茶会事件をきっかけに強まり始まったアメリカ独立戦争が行われている真っ最中に採択されました。
もうイギリス本国との和解はない!
独立しかない!
という意気込みが感じられます。
アメリカ独立宣言の原文と和訳、署名した人
アメリカ独立宣言の全文は、アメリカンセンターJAPANで英文と日本語の両方を見ることができます。
この独立宣言には、56人が署名をしました。
その内の8人が外国人で、内訳は以下の通りです。
- ジョージア:3人(イギリス人1)
- ノースカロライナ:3人
- サウスカロライナ:4人
- マサチューセッツ:5人
- メリーランド:4人
- バージニア:7人
- ペンシルべニア:9人(イギリス人1、アイルランド人2、スコットランド人1)
- デラウェア:3人
- ニューヨーク:4人(ウェールズ人1)
- ニュージャージー:5人(スコットランド人1)
- ニューハンプシャー:3人(アイルランド人1)
- ロードアイランド:2人
- コネティカット:4人
※署名の全リストは、先にリンクしたアメリカセンターJAPANに載っています。
外国人がいた、というのはちょっと驚きでした。
アメリカ独立宣言の内容
独立宣言なのだから、「独立します」という内容だけかと思ったら、そうではありませんでした。
トーマス・ジェファーソンが書いたアメリカ独立宣言は、17世紀のイギリスの哲学者、ジョン・ロックが提唱した自然権と個人の自由という理念が色濃く反映されたものでした。
つまり、
すべての人間は生まれながらにして平等である
ということです。
平等、自由、幸福の追求という基本的人権を求めた、今の私たちにとって非常に重要なものでした。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」
という有名な、福沢諭吉の『学問のすゝめ』の冒頭の一節は、アメリカ独立宣言の文を元に作られたという話が有力です。
ただ1つ残念なのは、トーマス・ジェファーソンが書いた「すべての人間」は、ヨーロッパからの白人入植者しか想定されていませんでした。
先住民であるネイティブアメリカンや、奴隷にされていた黒人は、彼にとって「人間」ではなかったようです。
ネイティブアメリカンからすれば、勝手に入り込んできて領地を奪い、独立だなんだって、何を勝手な、だと思うんですけどね。
…話がずれました。
人民の権利で独立の正当性を主張した後は、
イギリス国王・議会がいかに酷い政治を植民地にしてきたか
を並べ立てています。
その数、全部で28ヶ条。
こんな法律作りやがって〜!という文句が多いです。
まあ、かなり腹に据えかねていたのでしょうね。
締めは
独立を宣言!
です。
1823年に模写されたものを貼っておきます。
アメリカンセンターJAPANから引用します。
すなわち―これらの連合した植民地は自由な独立した国家であり、 そうあるべき当然の権利を有する。
これらの植民地は英国王に対するあらゆる忠誠の義務から完全に解放され、これらの植民地と英国との政治的な関係はすべて解消され、また解消されるべきである。
「べき」が2回も使われていて、独立は当然のこと、イギリスが悪いのだ!、とアピールされていますね。
現物は今、どこにある?
本物は、ワシントンDCにある国立公文書館の、自由憲章のためのロタンダにあります。
しっかりアルゴンガスで満たされたチタニウム製の枠に密閉されて、夜には地下の保管庫に入っているそうです。
貴重ですものね。
最後に行った気持ちになれる動画を貼っておきます。
まとめ
アメリカ独立宣言とは?原文と和訳その3つの内容、現物はどこに?、いかがでしたでしょうか。
トーマス・ジェファーソンが起案したアメリカ独立宣言の内容は、
- 最初が基本的人権についてで、民主主義の基本原理であり非常に重要
- イギリスへの不満が28個!
- 独立を宣言、当然の権利と主張
- 現物はワシントンDCの国立公文書館に
でした。
ちなみにニューヨークにある自由の女神が左手に持っているのは、この「独立宣言」なんだそうです。
私も機会があったら、本物を見てみたいです。