アメリカは医療費が高いので、健康保険に加入していないと大病・大怪我した時に大変です。
しかもアメリカには日本のような国民皆保険制度が無く、自分で民間の保険に加入しなくてはなりません。
国際保健医療支援団体、プロジェクト・ホープが発行するヘルス・アフェアーズ・ジャーナルによると、アメリカの医療費の総費用は2017年に3.4兆ドルでした。
しかも、2025年まで毎年5.6%の増加が見込まれ、国内総生産の19.9%(!)を占めると予測されています。
アメリカの保険料は、日本と比較して、どれだけ高いのでしょうか?
この記事では、
- 州、年齢、ネットワーク、プラン・ランク別の健康保険料の平均
- 健康保険料に影響する要因
- 日本の場合は?
をご紹介します。
州で変わる健康保険料
健康保険料は、住んでいる州によって変わります。
健康で若い大人は保険料が最も安くなりますが、同じ21歳の成人でも、州によって保険料が大きく異なります。
例えば、2016年、ユタ州の21歳の女性は健康保険料を毎月180ドル支払いました。
アラスカ州では、同じ条件の人が毎月426ドルの支払いでした。
かなり違いますね。
次の表は、healthmarkets提供による州別の健康保険料の平均です。
州(アルファベット順) | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|
アメリカの平均 | $481 | $477 |
アラバマ | $558 | $546 |
アラスカ | $726 | $702 |
アリゾナ | $516 | $471 |
アーカンサス | $364 | $378 |
カリフォルニア | $430 | $435 |
コロラド | $470 | $488 |
コネティカット | $545 | $475 |
デラウェア | $589 | $684 |
コロンビア特別区 | $324 | $393 |
フロリダ | $466 | $477 |
ジョージア | $483 | $487 |
ハワイ | $438 | $493 |
アイダホ | $478 | $498 |
イリノイ | $486 | $478 |
インディアナ | $339 | $339 |
アイオワ | $713 | $762 |
カンザス | $518 | $552 |
ケンタッキー | $422 | $460 |
ルイジアナ | $474 | $454 |
メイン | $588 | $544 |
メリーランド | $487 | $419 |
マサチューセッツ | $316 | $332 |
ミシガン | $381 | $383 |
ミネソタ | $385 | $326 |
ミシシッピ | $519 | $521 |
ミズーリ | $529 | $499 |
モンタナ | $525 | $561 |
ネブラスカ | $767 | $838 |
ネバダ | $432 | $410 |
ニューハンプシャー | $475 | $402 |
ニュージャージー | $413 | $352 |
ニューメキシコ | $414 | $365 |
ニューヨーク | $506 | $569 |
ノースカロライナ | $627 | $618 |
ノースダコタ | $377 | $457 |
オハイオ | $371 | $380 |
オクラホマ | $659 | $696 |
オレゴン | $414 | $443 |
ペンシルベニア | $575 | $484 |
ロードアイランド | $311 | $336 |
サウスカロライナ | $520 | $552 |
サウスダコタ | $521 | $557 |
テネシー | $743 | $548 |
テキサス | $434 | $444 |
ユタ | $550 | $542 |
バーモント | $505 | $622 |
バージニア | $535 | $555 |
ワシントン | $336 | $381 |
ウエストバージニア | $545 | $596 |
ウィスコンシン | $569 | $537 |
ワイオミング | $865 | $865 |
※保険料は州のエリアによっても変わります
一番高い州はワイオミング州の865ドル、800ドル超えはこの州だけです。
安い州はミネソタ州の326ドル、300ドル台前半はインディアナ州、ミネソタ州、ロードアイランド州と3つありました。
倍以上の違いがあるのは、ちょっと驚きです。
ここまで差が出てしまうのは、保険会社間の競争、州とエリアの独自ルール、生活費の違いが原因です。
日本でも、住んでいる自治体によって国民健康保険料が変わります。
例えば、年収400万の単身者の場合。一番高いのは、広島県の広島市。
年収の15.9%に当たり、毎月約53,000円です。
安いのは、静岡県の富士市。
年収の7.3%に当たり、毎月約24,000円です。東京都23区は年収の8.9%、毎月約29,500円です。
広島市に比べると、かなり安いですね。
ちなみに自治体によって保険料が異なるのは、国民健康保険は市区町村が運営していて、市区町村ごとに保険料の計算方法が違うからです。
また病院を頻繁に利用する高齢者の割合が高い、税収が少なく予算が足りない等も、保険料率が高くなる原因です。
高い医療費について詳しく↓
年齢で変わる健康保険料
日本では収入によって保険料が変わりますが、アメリカでは年齢によって変わります。
見積もりが作られる際、いちばん影響があるのが年齢です。
次の表は、ValuePenguin提供による年齢別の健康保険料の平均です。
年齢 | 保険料 |
---|---|
21 | $374 |
25 | $376 |
30 | $425 |
35 | $457 |
40 | $478 |
45 | $540 |
50 | $668 |
55 | $835 |
60 | $1,016 |
64 | $1,123 |
着々と上昇する保険料、最初は緩やかですが、50歳を過ぎると急激に増えていきます。
順調に収入が増えていないと、払いきれない金額です。
40歳で478ドルになっていますが、これは2015年より73%も高くなっています。
※年齢が64歳までしかないのは、65歳になれば公的医療保険に入ることが出来るためです。
※高齢者・身体障害者用と、低所得者用の公的医療保険があります。
日本でも、年齢によって国民健康保険料が変わります。
年齢の区分は、
- 〜39歳
- 40歳~64歳
- 65歳~74歳
- 75歳〜
です。また収入による変化もあり、例えば45歳だと、
年収100万円 | 毎月約6,300円 |
年収300万円 | 毎月約14,000円 |
年収400万円 | 毎月約28,000円 |
年収600万円 | 毎月約43,000円 |
年収800万円 | 毎月約60,000円 |
年収1000万円 | 毎月約77,000円 |
年収1500万円 | 毎月約80,000円 |
という感じで増えていきます。
ネットワークで変わる健康保険料
ネットワークのタイプで保険料が変わります。
次の表は、ValuePenguin提供によるネットワークタイプ別の健康保険料(21歳の場合)の平均です。
ネットワークのタイプ | 保険料 |
---|---|
HMO | $230 |
PPO | $251 |
年齢での変化を見ると、21歳ではHMOとPPOは大差ありませんが、歳を取ってくると違いが大きくなると思われます。
アメリカの公的医療保険制度やネットワークについて↓
プラン・ランクで変わる健康保険料
健康保険のプランは、保険がカバーする医療費の割合でランク付けが行われています。
- カタストロフィック(Catastrophic)
- ブロンズ(Bronze)
- シルバー(Silver)
- ゴールド(Gold)
- プラチナ(Platinum)
カタストロフィック(意味は「破滅的な」すごい名前です^^;)とブロンズは、カバーは最低限、免責額・自己負担額・自己負担の割合は最大限、ただし保険料は安いです。
反対のプラチナは、全てのコストの90%をカバー、最大限のサービスを提供、しかし保険料は高いです。
良いサービスで柔軟性があるプランは、高い保険料という代償が伴いますす。
次の表は、ValuePenguin提供によるプラン・ランク別の健康保険料(21歳の場合)の平均です。
プラン・ランク | 毎月の保険料 | 年間の保険料 |
---|---|---|
カタストロフィック | $167 | $1,999 |
ブロンズ | $201 | $2,411 |
シルバー | $247 | $2,961 |
ゴールド | $291 | $3,487 |
プラチナ | $363 | $4,360 |
年間では倍以上の差がありますね。
お金に余裕があれば、カバー率を優先したいですが、なかなか保険料にそこまで余裕のある人は少ないと思います。
最後、まとめます。
健康保険料に影響するものは?
健康保険の費用に影響するものは、
- 住んでいる場所:契約者が住んでいる州と郡を基に、保険料が決められます。
例えば、フロリダのマイアミデイド郡の居住者は、ジャクソン郡の居住者よりも同じプランの保険が安くなります。 - 年齢:歳が増えるにつれて保険料は高くなります。
14歳までは、保護者の保険に追加するのは定額料金ですが、一般に15歳からは毎年増加します。 - どんな保険にするか:ネットワーク、プラン・ランクによって保険料は変わります。
良いサービスほど高く、悪いサービスほど安くなります。 - 喫煙:タバコを吸う人は、最大50%の増加になります。
ただし増加量は州によって制限があります。
カリフォルニア州とニューヨーク州は、喫煙で保険料を変えることを許可していません。 - 加入する人数:人数が増えるにつれて保険料は高くなります。
当たり前ですが、個人よりも家族の方がはるかに高くなります。
日本も保険料に住んでいる場所、年齢、収入などが影響しますが、アメリカよりはるかに安いのが、羨ましいです。
まとめ
アメリカの保険料の平均は?州・年齢・プラン・ランクで変わる!、いかがでしたでしょうか。
- 健康保険料は、州で変わる
ワイオミング州は高い、ミネソタ州は安い、倍以上違う - 年齢で変わる
50歳を過ぎると急激に増える - ネットワークで変わる
PPOが高め - プラン・ランクで変わる
良いサービスは保険料が高い - その他、保険料に影響するものには、喫煙と加入人数がある
でした。
日本の保険料とも比較して書かせていただきましたが、本当に日本は安いですね!
アメリカは健康な時は良いですが、歳を取ってガタが来たら、怖いなと思います。
技術は高いと思うので、払える財力があるなら、アメリカも良いのですけどね〜。
庶民には無理です…。