(2024年にデータ更新しました!)
アメリカの大統領は、初代のジョージ・ワシントンから始まり、現在のジョー・バイデンが46代目です。
歴代のアメリカ大統領の中で、一番人気のある大統領は誰でしょう?
2021年にC-SPANで実施された、約100人の歴史家と伝記作家による、
- 人気のある歴代大統領20人
- ワースト10人とバイデン大統領がいない理由
をご紹介します。
大統領それぞれの、簡単な功績の説明付きです。
人気のあるアメリカ大統領20位から11位
次の10のポイントからランキング付けされています。
- 説得する力
- 危機でのリーダーシップ力
- 経済を操縦する力
- 道徳心の高さ
- 国際関係
- 事務処理能力
- 議会との関係
- 未来像
- 全てに平等な正義力
- 時代に則したパフォーマンス力
では20位から見てみます。
どんな人か?も載せています。
20位:ユリシーズ・グラント
国民への説得力と国際関係で高い評価を得ました。
第18代大統領
任期:1869年3月4日 – 1877年3月4日
副大統領:スカイラー・コルファクス、ヘンリー・ウィルソン
- 南北戦争時、北軍の将軍でした、政治家であり、軍人です。
- 汚職とスキャンダルに悩まされ、ウィスキー汚職事件では部下に厳しい態度を取りませんでした。
- アメリカを訪問した岩倉使節団と会見しています。
19位:ビル・クリントン
経済運営で上位にランクされました。
第42代大統領
任期:1993年1月20日 – 1837年1月20日
副大統領:アル・ゴア
- 「クリントノミクス」と呼ばれる経済政策で、巨額の財政赤字を解消しました。
- 高所得者の所得税率を引き上げ、中間層の減税を実施しました。
- 一方、外交は不得意で、人材も不足し、大した成果のないままでした。
18位:ジェームズ・ポーク
危機管理能力と行政能力が高く評価されました。
第11代大統領
任期:1845年3月4日 – 1849年3月4日
副大統領:ジョージ・ダラス
- 米墨戦争からテキサス共和国の合併やオレゴン境界論争の解決など、大統領の職務は一期のみの決心で精力的に活動しました。
- ウォーカー関税を成立させ、国庫システムを確立しています。
- 離職後、コレラのために死去しました。
17位:ジョン・クィンシー・アダムズ
第6代大統領
任期:1825年3月4日 – 1829年3月4日
副大統領:ジョン・カルフーン
- 民主共和党所属としては最後の大統領です。
- 第2代大統領ジョン・アダムズの息子で、最初の親子二代大統領になります。
- 偉大な外交官であったと多くの歴史家が認めています。
16位:ジェームズ・マディソン
道徳的権威で高い評価を受けました。
第4代大統領
任期:1809年3月4日 – 1817年3月4日
副大統領:ジョージ・クリントン、エルブリッジ・ゲリー
- 米英戦争で、初めて対外宣戦布告をした大統領です。
- 政府が設けた銀行の特許更新を下院、乗員が否決して銀行は廃止されたので、第二銀行を設立しました。
- 憲法の主要な執筆者で、「アメリカ合衆国憲法の父」と呼ばれています。
15位:ジョン・アダムズ
道徳的権威で高い評価を受けました。
第2代大統領
任期:1797年3月4日 – 1801年3月4日
副大統領:トーマス・ジェファーソン
- モラルが高く、どんなスキャンダルにも巻き込まれませんでした。
- ジョージ・ワシントン大統領時、初代副大統領を務めています。
- アメリカ海軍の創始者です。
- 息子も第6代大統領になっています。
14位:ウィリアム・マッキンリー
議会との関係で高い評価を受けました。
第25代大統領
任期:1897年3月4日 – 1901年9月14日
副大統領:ギャレット・A・ホーバート、セオドア・ルーズベルト
- 帝国主義政策を進め、保護貿易主義をとり、史上最高の関税率のディングレー関税法を成立させました。
- 米西戦争を行い、ハワイ諸島を併合しました。
- 無政府主義者により狙撃され、暗殺されています。
13位:ウッドロウ・ウィルソン
ビジョンで高く評価されました。
第28代大統領
任期:1913年3月4日 – 1921年3月4日
副大統領:トーマス・R・マーシャル
- 第一次世界大戦では、中立の立場を保ち再選しましたが、戦争を終わらせるためと参戦を決断しました。
- パリ講和会議を主宰し、国際連盟の創設に尽力した功績により、ノーベル平和賞を受賞しています。
- 名誉学位ではない博士号を持つ唯一の大統領です。(いくつかの学校で教鞭を執っていました。)
12位:ジェームズ・モンロー
国際関係で高い評価を得ました。
第5代大統領
任期:1817年3月4日 – 1825年3月4日
副大統領:ダニエル・トンプキンズ
- 奴隷制の規制を決めたミズーリ妥協法案を制定しました。
- ヨーロッパ諸国に対し、相互不干渉を提唱したモンロー主義を提唱しました。
- インディアン部族の領土を侵略し、強制排除するというインディアン政策をしました。
11位:リンドン・ジョンソン
議会との関係で高い評価を受けました。
第36代大統領
任期:1963年11月22日 – 1969年1月20日
副大統領:ヒューバート・H・ハンフリー
- ジョン・F・ケネディ大統領時、第35代副大統領を務めています。
- ケネディ大統領暗殺事件で大統領に昇格し、政権を引き継ぎました。
- 人種差別を禁止する法律、公民権法を制定しました。
- 低所得者のため、福祉保健や教育援助、家賃援助、老人医療無料化など、連邦議会を動かして社会改革を行いました。
画像は、ケネディ大統領が亡くなり、機内で大統領宣誓をしているところです
隣にいるのは、ケネディ夫人ですね
人気のあるアメリカ大統領10位から1位
10位:バラク・オバマ
すべての人に平等な正義を追求する姿勢が高く評価されました。
第44代大統領
任期:2009年1月20日 – 2017年1月20日
副大統領:ジョー・バイデン
- アフリカ系アメリカ人(アフリカ系と白人のハーフ)として建国以来初めての大統領です。
- 核なき世界に向けた、国際社会への働きかけを評価され、ノーベル平和賞を受賞しています。
- 現職大統領として初めて広島を訪問し、慰霊碑に献花しました。
- キューバと54年振りに国交を回復することで合意し、正常化を実現しました。
9位:ロナルド・レーガン
国民への説得力において高い評価を得ました。
第40代大統領
任期:1981年1月20日 – 1989年1月20日
副大統領:ジョージ・H・W・ブッシュ
- 映画俳優の経歴を持つ大統領です。
- レーガノミクスと呼ばれる自由主義経済政策で、社会保障費の削減と減税を行いました。
- ソ連のミハイル・ゴルバチョフと交渉を重ね、冷戦の終結へと貢献しました。
8位:ジョン・F・ケネディ
国民への説得力において高い評価を得ました。
第35代大統領
任期:1961年1月20日 – 1963年11月22日
副大統領:リンドン・B・ジョンソン
- 選挙で選ばれた最も若い(当時43歳)、初めてで、今まで唯一のカトリック教徒の大統領です。
- アポロ計画を実行するため、議会に承認を求めました。
- キューバ危機では、ケネディの判断により、世界を核戦争から救いました。
7位:トーマス・ジェファーソン
議会との関係と、ビジョンが高く評価されました。
第3代大統領
任期:1801年3月4日 – 1809年3月4日
副大統領:アーロン・バー、ジョージ・クリントン
- アメリカ独立宣言の主要な作者であり、合衆国建国の父の一人と言われています。
- ジョン・アダムズ大統領時、第2代副大統領を務めています。
- ルイジアナをフランスから買収し、国の領土を倍増させました。
- 植民地主義者が逃げ出すよう、民主主義、共和主義、個人の権利を支持しました。
6位:ハリー・S・トルーマン
危機管理のリーダーシップと、すべての人に平等な正義を求めたことにより、高い評価を得ました。
第33代大統領
任期:1945年4月12日 – 1953年1月20日
副大統領:アルバン・W・バークリー
- フランクリン・ルーズベルト大統領の死亡により、大統領に昇格し、政権を引き継ぎました。
- (アメリカでは、)原爆投下を正当化し、戦争を早期に終わらせ、アメリカ兵の命を救った大統領です。
- 北朝鮮が韓国を侵略した時は、朝鮮戦争のために米軍を送りました。
5位:ドワイト・D・アイゼンハワー
道徳的権威で高い評価を得ました。
第34代大統領
任期:1953年4月12日 – 1961年1月20日
副大統領:リチャード・ニクソン
- 朝鮮戦争の停戦に署名し、東南アジア条約機構を形成しました。
- スエズ危機では、英仏のエジプト侵攻を非難し、撤退を余儀なくしました。
- 全米州間国防高速道路法を施行し、道路が整備されました、これにより全線が片側2車線以上になりました。
4位:セオドア・ルーズベルト
国民への説得力で高い評価を得ました。
第26代大統領
任期:1901年9月14日 – 1901年9月14日
副大統領:チャールズ・W・フェアバンクス
- ウィリアム・マッキンリー大統領時、第25代副大統領を務めています。
- 大統領暗殺により大統領に昇格し、政権を引き継ぎました。
- 自然保護のため、多くの新しい国立公園、森林、モニュメントを設立しました。
- 日露戦争の停戦を仲介したことにより、ノーベル平和賞を受賞しました。
3位:フランクリン・ルーズベルト
国民への説得力と国際関係で高い評価を得ました。
第32代大統領
任期:1933年3月4日 – 1945年4月12日
副大統領:ジョン・N・ガーナー、ヘンリー・A・ウォレス、ハリー・S・トルーマン
- 唯一、4選した大統領です。(戦時という特例)
- ニューディール政策と第二次世界大戦参戦により、世界恐慌から経済を回復させました。
- ラジオ放送を使って演説するというスタイルを用い、メディアを巧みに利用した大統領です。
- 原子爆弾の開発である、マンハッタン計画を進めました。
世界恐慌から経済を回復させたというのは、かなり評価が高いようです
しかしニューディール政策は失敗だったという意見も多いです
2位:ジョージ・ワシントン
当時の状況での経済運営、道徳的権威、業績が高く評価されています。
また在任中に政党に所属しなかった唯一の大統領です。
初代大統領
任期:1789年4月30日 – 1945年3月4日
副大統領:ジョン・アダムズ
- 大統領顧問委員会の諮問制度、就任演説、大統領の職は2期までという慣習的政策を作りました。
- イギリスとジェイ条約を調印し、イギリスとの戦争を回避、イギリスとの貿易が繁盛しました。
- 黒人を奴隷として所有し、奴隷制度に嫌悪する発言をしていましたが、ネイティブ・アメリカンに対しては民族浄化の冷酷な命令を指示していました。
大統領制度を作った人です
1ドル札の顔です
1位:エイブラハム・リンカーン
危機管理能力、行政能力、ビジョン、そしてすべての人に対する平等な正義の追求において最高の評価を得ています。
第16代大統領
任期:1861年3月4日 – 1865年4月15日
副大統領:ハンニバル・ハムリン、アンドリュー・ジョンソン
- 南北戦争に勝利した後、奴隷解放宣言を行いました。
- ゲティスバーグ演説で民主主義の基礎を主張しました。
- ネイティブ・アメリカンに対しては、民族浄化の強い迫害の態度でした。
- 首都ワシントンDCにあるフォード劇場で、観劇中に銃弾により暗殺されました。
- 初めて暗殺された大統領です。
民主主義の基礎もですが、暗殺されたことで神格化されたのも大きい気がします
5ドル札の顔です
ワースト10に選ばれた大統領
人気の大統領を見てきましたが、
逆に人気のない大統領は誰でしょう?
気になりますね。
こちらがワースト10に選ばれた大統領です。
名前 | 代 | 在任期間 | |
---|---|---|---|
10 | ザカリー・テイラー | 12 | 1849年3月4日 – 1850年7月9日 |
9 | ハーバート・フーヴァー | 31 | 1929年3月4日 – 1933年3月4日 |
8 | ウォレン・ハーディング | 29 | 1921年3月4日 – 1923年8月2日 |
7 | ミラード・フィルモア | 13 | 1850年7月9日 – 1853年3月4日 |
6 | ジョン・タイラー | 10 | 1841年4月4日 – 1841年9月13日 1841年9月13日 – 1845年3月4日 |
5 | ウィリアム・ハリソン | 9 | 1841年3月4日 – 1841年4月4日 (病死) |
4 | ドナルド・トランプ | 45 47 | 2017年1月20日 – 2021年1月20日 2025年1月20日 – |
3 | フランクリン・ピアース | 14 | 1853年3月4日 – 1857年3月4日 |
2 | アンドリュー・ジョンソン | 17 | 1865年4月15日 – 1869年3月4日 |
1 | ジェームズ・ブキャナン | 15 | 1857年3月4日 – 1861年3月4日 |
ワースト1位と2位の人は、任期の前後がベスト1のエイブラハム・リンカーン(16代)ですから、ちょっと運が悪かったという気もしますね。
バイデン大統領がランキングにいない理由は?
ランキングは任期後に行われます。
任期途中では評価ができない
ということですね。
バイデン大統領の次の大統領になったら、またランキングが行われて、人気度が分かるでしょう^^
参考:C-SPAN Survey on Presidents 2021
まとめ
歴代アメリカ大統領人気ランキング20【バイデンがいない理由は?】、いかがでしたでしょうか。
- 20位:ユリシーズ・グラント
- 19位:ビル・クリントン
- 18位:ジェームズ・ポーク
- 17位:ジェームズ・ポーク
- 16位:ジェームズ・マディソン
- 15位:ジョン・アダムズ
- 14位:ウィリアム・マッキンリー
- 13位:ウッドロウ・ウィルソン
- 12位:バラク・オバマジェームズ・モンロー
- 11位:リンドン・ジョンソン
- 10位:バラク・オバマ
- 9位:ロナルド・レーガン
- 8位:ジョン・F・ケネディ
- 7位:トーマス・ジェファーソン
- 6位:ハリー・S・トルーマン
- 5位:ドワイト・D・アイゼンハワー
- 4位:セオドア・ルーズベルト
- 3位:フランクリン・ルーズベルト
- 2位:ジョージ・ワシントン
- 1位:エイブラハム・リンカーン
という結果でした。
上位は固定で動かないだろうなあ、という感じでしたね。
でも選んでいる理由がアメリカファーストなものもあり、時代によって評価が変わるのかなとも思いました。
時代と言えば、奴隷制に反対する大統領がいても、ネイティブ・アメリカンには徹底して冷たいのが驚きでした。
賠償とか、されてないですよねえ、きっと。
心が痛みます。
さて、また数年後にランキングが行われるかと思いますが、バイデンさんは入ってくるでしょうか?
オバマさんは、ずっと残れるかな?