アメリカで殺人事件の多い都市ランキング30!【2022年】

(2022年にデータ更新しました!)

以前、全米危険都市ワースト50という記事を書きました。

今回はFBI発表の2021年犯罪統計報告書をベースに、

全米殺人件数の多い都市ワースト30

をまとめました。

前年度と比較すると、新しく仲間入りしたのは14都市
最も殺人事件の発生率が高い新入りはミシガン州サギノー、前年の2倍以上になっています。
またウィスコンシン州ミルウォーキーは前年の97%増です。

2万5千人以上の都市が対象で、人口千人あたりの殺人件数が多い都市30です。
殺人は、過失ではなく故意に人が人を殺めたものです。

※FBIは毎年、暦の変わる約10ヶ月後にデータを公表します。
今回のリストは、2021年9月にリリースされたもので、2020年のデータが基になっています。

目次

30位から21位の危険都市

30位:バージニア州リッチモンド

リッチモンド

人口:226,610人
殺人率:.29
殺人事件数:66
米国平均の:4.5倍

リッチモンドはバージニア州の州都で、歴史の古い都市です。
バージニア州で4番目に大きな都市(2021)で、フィリップモリスの本社があるなど色々な業種の企業が本社をこの都市に置いています。
2004年には治安の悪い都市で1位を取り、改善も進んでいますが、なかなかイメージを変えられずにいます。

29位:ワシントンD.C.

ワシントンD.C.

人口:689,545人
殺人率:.29
殺人事件数:201
米国平均の: 4.5倍

ワシントンD.C.はアメリカ合衆国の首都で、ポトマック川沿いに位置しています。
国会議事堂、ホワイトハウス、最高裁判所などや、有名な博物館や美術館もあります。
殺人事件の被害者の約8割が黒人男性で、殺人の3分の1はアナコスティア区で起こっています。

28位:オハイオ州シンシナティ

シンシナティ

人口:309,317人
殺人率:.29
殺人事件数:201
米国平均の: 4.5倍

シンシナティは、オハイオ州南西端に位置しています。
オハイオ州で3番目に大きな都市(2021)で、航空貨物の拠点であり、地域の経済・交通・教育・文化の中心地です。
殺人の発生率が高いが、犯罪件数の多い地域は限られていて、住民の所得水準は低くなっています。

27位:サウス・カロライナ州フローレンス

人口:39,899人
殺人率:.30
殺人事件数:12
米国平均の: 4.6倍

フローレンスは、サウス・カロライナ州東部に位置しています。
サウス・カロライナ州で11番目に大きな都市(2021)で、フォローレンス郡の郡庁所在地でもあります。
鉄道の中心として作られ、3つの主要鉄道の接続点となっている主要都市です。

26位:カリフォルニア州サンバーナーディーノ

人口:222,101人
殺人率:.31
殺人事件数:68
米国平均の: 4.7倍

サンバーナーディーノは、カリフォルニア州南部、ロサンゼルス東の砂漠地帯に位置します。
カリフォルニア州で20番目に大きな都市(2021)で、工業都市として発展してきました。
殺人発生率が高く、ワースト25の常連です。

25位:アーカンソー州ノース・リトル・ロック

人口:64,591人
殺人率:.31
殺人事件数:20
米国平均の: 4.8倍

ノース・リトル・ロックは、アーカンソー州中央部のリトルロックから川を渡ったところに位置します。
アーカンソー州で9番目に大きな都市(2021)で、古い歴史があり、アルジェンタ歴史地区があります。
人種構成は、白人とアフリカ系アメリカ人が約半々です。

24位:ニュージャージー州カムデン

カムデン

人口:71,791人
殺人率:.32
殺人事件数:23
米国平均の: 4.9倍

カムデンは、ニュージャージー州西部に位置しています。
ニュージャージー州で8番目に大きな都市(2021)で、フィラデルフィア郊外の住宅地として栄えました。
現在はフィラデル都市圏再開発で人口と雇用が減り、暴動も多発するほど治安が悪化しています。

23位:サウス・カロライナ州ノースチャールストン

City of North Charleston city hall

人口:114,852人
殺人率:.33
殺人事件数:38
米国平均の: 5.1倍

ノースチャールストンは、サウス・カロライナ州チャールストン郡とドーチェスター郡にまたがる都市です。
サウス・カロライナ州で3番目に大きな都市(2021)で、州の主要工業都市のひとつです。
犯罪と貧困の基盤を取り除き、住民の自尊心を強化する働きが行われています。


22位:オハイオ州デイトン

Downtown Dayton, Ohio

人口:137,644人
殺人率:.33
殺人事件数:46
米国平均の: 5.1倍

デイトンは、オハイオ州西部に位置しています。
オハイオ州で6番目に大きな都市(2021)で、マイアミバレーと呼ばれる地域の中心都市です。
ライト兄弟を産んだ工業都市でしたが、近年は廃墟と化した建物が多く犯罪が増加、治安が悪化しています。

21位:ウィスコンシン州ミルウォーキー

ミルウォーキー

人口:577,222人
殺人率:.33
殺人事件数:193
米国平均の: 5.1倍

ミルウォーキーは、シカゴの北、ミシガン湖の西岸に位置しています。
ウィスコンシン州で1番大きな都市(2021)で、ドイツ系住民が多く、ハーレーダビッドソンの本社があります。
通りには1500人を超えるホームレスがいて、犯罪も多く、危険な大都市に選ばれています。

20位から11位の危険都市

20位:ミズーリ州カンザスシティ

カンザスシティ

人口:508,090人
殺人率:.35
殺人事件数:176
米国平均の: 5.3倍

カンザスシティは、ミズーリ州西部に位置した都市です。
ミズーリ州で1番大きな都市(2021)で、200以上の噴水があり、噴水の街と呼ばれています。
治安はあまり良くなく、殺人発生件数はニューヨークの4倍、ロサンゼルスの2倍です。

19位:バージニア州ポーツマス

US Navy 030820-N-9851B-011 Tug boats guide USS Harry S. Truman (CVN 75) up the Elizabeth River, past Portsmouth landmarks

人口:97,915人
殺人率:.35
殺人事件数:34
米国平均の: 5.3倍

ポーツマスは、バージニア州の南東部に位置しています。
バージニア州で11番目に大きな都市(2021)で、米海軍の造船所と医療センターがあります。
人種の割合はアフリカ系アメリカ人がやや多い傾向です。

18位:ルイジアナ州シュリーブポート

人口:187,593人
殺人率:.37
殺人事件数:69
米国平均の: 5.7倍

シュリーブポートは、ルイジアナ州の北西端に位置する都市です。
ルイジアナ州で3番目に大きな都市(2021)で、アーカンソー・ルイジアナ・テキサスの3州にまたがる文化の中心地です。
犯罪率が高く、殺人のほとんどは麻薬か、ギャング関連です。

17位:ミシガン州インクスター

人口:26,088人
殺人率:.38
殺人事件数:10
米国平均の: 5.9倍

インクスターは、ミシガン州のウェイン郡にある都市です。
ミシガン州で51番目に大きな都市(2021)で、元々はネイティブアメリカンが住んでいました。
警察官に愛犬が誤って射殺される事件が起こった町です。

16位:ルイジアナ州モンロー

人口:47,702人
殺人率:.40
殺人事件数:19
米国平均の: 6.1倍

モンローは、ルイジアナ州のワシタ郡の郡庁所在地です。
ルイジアナ州で9番目に大きな都市(2021)で、かつてはデルタ航空の本社がありました。
貧困率も高く、2013年では第6位でした。

15位:ルイジアナ州アレクサンドリア

DowntownAlexandria3rd

人口:45,275人
殺人率:.42
殺人事件数:19
米国平均の: 6.5倍

アレクサンドリアは、ルイジアナ州の中央部に位置しています。
ルイジアナ州で10番目に大きな都市(2021)で、ラピッズ郡とグラント郡の2郡にまたがっています。
アレクサンドリアの犯罪率は州内の平均より169%高く、全国平均よりも266%高くなっています。

14位:フロリダ州リビエラ・ビーチ

リビエラ・ビーチ

人口:37,604人
殺人率:.43
殺人事件数:16
米国平均の: 6.5倍

リビエラ・ビーチは、フロリダ州パームビーチ郡の都市で、東の境界に位置しています。
フロリダ州で107番目に大きな都市(2021)で、主にアフリカ系アメリカ人の町です。
最も評価の高いビーチダイビングポイント、ブルーヘロンブリッジがあります。

13位:オハイオ州クリーブランド

クリーブランド

人口:372,624人
殺人率:.43
殺人事件数:160
米国平均の: 6.6倍

クリーブランドは、オハイオ州北東部に位置しています。
オハイオ州で2番目に大きな都市(2021)で、工業都市として発展しました。
一部地域への貧困層の集中、教育の予算不足などから治安が大きな問題となっています。

12位:ニュー・ジャージー州トレントン

Trenton Transit Center NEC NJT Overview

人口:90,871人
殺人率:.40
殺人事件数:16
米国平均の: 6.8倍

トレントンは、ニュー・ジャージー州中央部に位置する州都です。
ニュー・ジャージー州で7番目に大きな都市(2021)で、フィラデルフィアとニューヨークの間にあります。
予算削減のため、トレントン警察署のほぼ3分の1にあたる警察官を解雇したことがあります。

11位:ルイジアナ州バトン・ルージュ

バトン・ルージュ

人口:227,470人
殺人率:.45
殺人事件数:102
米国平均の: 6.9倍

バトン・ルージュはルイジアナ州の州都、ニューオーリンズに次ぐ大都市です。
ルイジアナ州で2番目に大きな都市(2021)で、19世紀初めまではフランスの植民地でした。
人口の約25%が貧困で、人種的には白人とアフリカ系アメリカ人が半々くらいです。

10位から1位の危険都市

10位:デラウェア州ウィルミントン

人口:70,898人
殺人率:.45
殺人事件数:32
米国平均の: 6.9倍

ウィルミントンは、デラウェア州北部、フィラデルフィアの南西に位置しています。
デラウェア州で1番大きな都市(2021)で、アメリカ三大財閥のひとつデュポン本社の所在地です。
麻薬取引が急増し治安が悪化、全米で初めてダウンタウン全域に監視体制を敷き、警察による覆面パトロールも行っています。

9位:テネシー州メンフィス

メンフィス

人口:633,104人
殺人率:.46
殺人事件数:289
米国平均の: 7.0倍

メンフィスは、テネシー州南西部に位置しています。
テネシー州で2番目に大きな都市(2021)で、かつては奴隷市が開かれました。
アフリカ系アメリカ人が人口の6割を占め、犯罪発生率が高いです。

8位:ペンシルベニア州ハリスバーグ

ハリスバーグ

人口:50,099人
殺人率:.46
殺人事件数:23
米国平均の: 7.1倍

ハリスバーグは、ペンシルベニア州の中央部に位置している州都です。
ペンシルベニア州で10番目に大きな都市(2021)で、全米の州都ではいちばん古い歴史ある都市です。
スリーマイル島原子力発電所事故があったことでも有名です。

7位:ミシガン州デトロイト

デトロイト

人口:639,111人
殺人率:.52
殺人事件数:330
米国平均の: 7.9倍

デトロイトは、ミシガン州の南西部にあり、エリー湖とヒューロン湖に挟まれ、カナダに接しています。
ミシガン州で1番大きな都市(2021)で、自動車産業が盛ん、自動車の街と呼ばれています。
失業率、貧困率が高く、犯罪都市として最も有名な街の1つです。

6位:ルイジアナ州ニューオーリンズ

ニューオーリンズ

人口:383,997人
殺人率:.52
殺人事件数:201
米国平均の: 8.1倍

ニューオーリンズは、メキシコ湾近く、ミシシッピ川沿いに位置しています。
ルイジアナ州で1番大きな都市(2021)で、港湾都市、工業都市、観光都市として発展しました。
2005年に上陸したハリケーンで8割が水没、壊滅的な被害を受けました。

5位:アーカンソー州パインブラフ

人口:41,253人
殺人率:.56
殺人事件数:23
米国平均の: 8.6倍

パインブラフは、ジェファーソン郡の県庁所在地です。
アーカンソー州で11番目に大きな都市(2021)で、昔は黒人奴隷により発展した町で、公民権運動が激しく行われました。
貧困率がとても高く、人口の3分の1が貧しい生活をし、それに伴い犯罪率も高くなっています。

4位:ミシガン州サギノー

人口:44,202人
殺人率:.57
殺人事件数:25
米国平均の: 8.7倍

サギノーは、デトロイトの北西に位置しています。
ミシガン州で27番目に大きな都市(2021)で、かつては製造業が盛んでした。
しかし金融危機から製造業の雇用が減少、高い失業率をもたらし、犯罪発生率が増えました。

3位:ミシガン州フリント

人口:81,252人
殺人率:.58
殺人事件数:47
米国平均の: 8.9倍

フリントは、ミシガン州の南部に位置しています。
ミシガン州で7番目に大きな都市(2021)で、ゼネラルモーターズの創業の地です。
ゼネラルモーターズの工場閉鎖により市が財政破綻し、失業者が増え、警察の予算と人不足で治安が悪化しています。

2位:バージニア州ピーターズバーグ

人口:33,458人
殺人率:.72
殺人事件数:24
米国平均の:11.0倍

ピーターズバーグは、バージニア州の独立市でアポマトックス川沿いに位置しています。
バージニア州で34番目に大きな都市(2021)で、リッチモンド大都市圏の一部です。
人口はアフリカ系アメリカ人が約8割を占め、南北戦争前は最も自由黒人の多い都市でした。

1位:ミズーリ州セントルイス

セントルイス

人口:301,578人
殺人率:.87
殺人事件数:263
米国平均の:13.4倍

セントルイスは、ミズーリ州東部、ミシシッピ川とミズーリ川の合流点に位置しています。
ミズーリ州で2番目に大きな都市(2021)で、どの郡にも属さない独立都市です。
アフリカ系アメリカ人の人口比率が高く、スラムが形成されていて、高級住宅地とエリアが2分されています。

※写真のいくつかは ©️Wikimedia Commons/画像に変更を加えておりません

まとめ

アメリカで殺人事件の多い都市ランキング30!【2022年】、いかがでしたでしょうか。

スクロールできます
1位ミズーリ州セントルイス2位バージニア州ピーターズバーグ
3位ミシガン州フリント4位ミシガン州サギノー
5位アーカンソー州パインブラ6位フルイジアナ州ニューオーリンズ
7位ミシガン州デトロイト8位ペンシルベニア州ハリスバーグ
9位テネシー州メンフィス10位デラウェア州ウィルミントン
11位ルイジアナ州バトン・ルージュ12位ニュー・ジャージー州トレントン
13位オハイオ州クリーブランド14位フロリダ州リビエラ・ビーチ
15位ルイジアナ州アレクサンドリア16位ルイジアナ州モンロー
17位ミシガン州インクスター18位ルイジアナ州シュリーブポート
19位バージニア州ポーツマス20位ミズーリ州カンザスシティ
21位ウィスコンシン州ミルウォーキー22位オハイオ州デイトン
23位サウス・カロライナ州ノースチャールストン24位ニュージャージー州カムデン
25位アーカンソー州ノース・リトル・ロック26位カリフォルニア州サンバーナーディーノ
27位サウス・カロライナ州フローレンス28位オハイオ州シンシナティ
29位ワシントンD.C.30位バージニア州リッチモンド

という結果でした。

結構、有名な都市もランクインしていますね。

昨年、ワースト1だったイースト・セント・ルイスは、今回入っていません。
しかし治安が良くなったのではなく、人口が激減してしまい、リスト基準の2万5千人を切ってしまいました。
そのため名前がありません。

来年はどう変化するか…また結果をまとめたいと思います。

アメリカの都市についての記事

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